お笑いコンビ、トータルテンボスの藤田憲右(45)が26日、都内で小学生向け野球教室「Yoshimoto Enjoy Baseball~とにかく野球を楽しむイベント~」を開催した。

未経験者2人を含む17人に打撃や守備、走塁の基礎技術を指導。最後は子どもたちに「みんなにはまだメジャーリーガーになれる可能性がある」と語りかけた。

重要視しているのは野球の「楽しさ」を伝えること。未経験の子どもには恐怖心をなくすため、最初は投げたボールをよける練習を課すなど、マンツーマンで指導。「この活動をもっと広めていきたいですし、野球未経験の子や今の自分に自信が持てない子にも、もっと来てほしいなと思いました」と振り返った。

今年2月には日本野球連盟の講習会に通い、指導者ライセンスも取得した。そこで得た知識なども生かし、保護者からの相談にも積極的に応じた。子どもの投球時のフォームについて質問された際は水の入ったペットボトルを持ち出し、実演しながらアドバイス。質問した保護者の男性(55)は「話ができるとは思っていなかったので、びっくりしました。細かく『こうしたらいいよ』といろいろと教えていただきました」と感謝を口にした。

藤田なりのこだわりもある。教室では「僕は走塁を重用しています」とスライディングの指導も敢行。子どもたちには「スライディングがうまくできないと、守備をしている相手にけがをさせることもある。だから大事なんだよ」と丁寧に説明した。技術向上に加え、けがのリスクを減らすことも選手生命を伸ばすために重要なこと。ともに指導した元中日の石川駿もプロ時代に故障で苦しんだ経験を語りながら肘や肩が痛くならない投げ方を伝授。「うまくなることも大事だけど、けがをしないことが一番大事。今日教えたことを頭の片隅に置きながら練習を頑張ってください」と呼びかけた。

伝え方も工夫している。藤田は「今の指導者はティーチングが多すぎるので、コーチングを意識しています」と語る。試合中の動きなどについては細かく指示を出して叱るのではなく、選手に「どう動けばいいのか。なぜそうするのか」を考えさせ、理解させる。「導くことがコーチングです。(少年野球に励む)息子にも向こうから聞いてくるまで僕は何も言いません」。子どもたちには常に前向きな言葉をかけ、自主性を促した。

野球教室は小学生年代の野球人口減を受け、元高校球児の藤田を中心に2年前から実施しているもの。現役プロ選手や芸人仲間らを招いた前回同様、この日も石川のほか、元高校球児でお笑い芸人の漢咲コータローも指導者役で参加。最後は写真撮影などにも気さくに応じ、教室を締めくくった。