釣りざおを実用品から美術工芸品に広げ高めた代々の竿忠(さおちゅう)の墓が移築、再建され27日、東京・亀戸の光明寺で開眼供養が営まれ、3代目竿忠の長女海老名香葉子さん(88)、香葉子さんの兄で4代目竿忠の中根喜三郎さん(90)、3代目竿忠の孫で落語家林家三平(50)が出席した。

和竿の技術を伝える碑も建立され、香葉子さんは「支えてくださった皆さまのおかげです。ありがとうございました」と涙ぐみ、完成した碑を見て「とてもすばらしいものができたと思います」と喜んだ。

3代目は東京大空襲で亡くなった。苦労の中で4代目を目指す兄を、香葉子さんと夫で初代林家三平さんが応援してきた。碑の建立について、三平さんは何と言っていると思うかと聞かれ、香葉子さんは「きぃちゃん、良かったねと言ってると思います」と話した。中根さんは「喜三郎なのできぃちゃんと呼ばれていました」と振り返った。

3代目の孫代表としてあいさつした三平は「空襲で亡くなった祖母や祖父に会ったことはありませんが、先祖を拝める場所ができたのは幸せ」と話した。