米映画「Rust」の撮影現場で10月に起きた銃の誤射事故を巡り、米俳優アレック・ボールドウィン（63）が米ABCテレビのインタビューに応じ、「私は引き金を引いていない」と語っていることが1日、明らかになった。事故後初めてカメラの前に座り、同局の看板キャスター、ジョージ・ステファノプロス氏のロングインタビューに応じたことをABCが発表し、2日の放送を前に予告編が公開された。

公開された2分弱の動画では、台本に引き金を引くとは書かれていなかったことを問われたボールドウィンが、「私は引き金は引いていない。誰にも銃を向けたことはない」と答える場面があるほか、「今でも信じられない」などと涙を流すシーンもある。ボールドウィンは事故後、移動中の車を追跡するメディアに対して車から降りて短い取材に応じているが、本格的なインタビューに応じるのはこれが初めてで、あの日何が起きたのか自らの口で真相が明かされるのか注目される。

ボールドウィンはリハーサルで、助監督から安全を意味する「コールドガン」だと言われて受け取った銃を誤射し、撮影監督のハリナ・ハッチンさんが死亡し、ジョエル・ソウザ監督が負傷したと伝えられていた。誤射した銃には実弾が装填（そうてん）されていたことが分かっているが、どのような経緯でそれが撮影現場に持ち込まれたのかは捜査中で分かっておらず、現時点で逮捕者は出ていない。（ロサンゼルス＝千歳香奈子通信員）