テノール歌手秋川雅史(54)が4日、自身がカバーした大ヒット曲「千の風になって」の翻訳と作曲をした芥川賞作家の新井満(あらい・まん=本名みつる)さんの訃報が伝えられたことを受け、追悼のコメントを発表した。

秋川は「昨年、コロナ禍で表現の場を失った私を気遣ってお電話をくださった新井満さん。突然の訃報をお聞きし、ぼうぜんとしています」とショックをあらわにした。

「千の風-」は米国に伝わる作者不詳の詩を新井さんが翻訳、作曲。秋川は同曲でミリオンセラーを売り上げ、06年にNHK紅白歌合戦に初出場するなど大ブレークした。秋川は「私が初めて新井満さんにお会いしたとき、新井さんは『千の風になって』という曲は『人が亡くなるという現実がある限り、永遠に必要とされるんだよ』とおっしゃいました。私はこの言葉をいつも胸に秘め、微力ながら大切に歌わせて頂いてきました」と回想した。

そして「新井さんが紡いだこの詩のように、今は風になり、大きな空を吹きわたって私たちを見守ってくれていると信じています。そして新井さんが遺された詩と曲を、これからも大切に歌い継いでいきます。ご冥福を心よりお祈りしております」と追悼した。

新井さんは3日に誤嚥(ごえん)性肺炎のため75歳で死去した。