「第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」で「孤狼の血 LEVEL2」「土竜の唄FINAL」「燃えよ剣」の3作品で助演男優賞を受賞した俳優鈴木亮平(38)を取材した。

鈴木の柔らかく、朗らかな優しい性格の断片が垣間見えた瞬間がいくつかあった。

動画撮影の取材時に筆者が質問を投げかけたが、返答のジャマにならないよう、こちらの拍手や相づちなしに、鈴木が1人で淡々と答えていくという場面があった。

“相づちなし”ということを自ら伝えておきながら、鈴木の熱弁に思わず相づちを何度か打ってしまった筆者に、鈴木はすかさず「あ! 今相づち打っちゃったでしょー!」と突っ込みを入れてくれた。「ハッ」と気付かされたとともに、やや緊迫していた空気が和らいだように感じた。このさりげない心遣いに救われた。

さらに、動画取材の終盤では、空腹のあまり、腹の虫を鳴らしてしまったスタッフに「ちょっと待ってください。今、すごいおなか鳴ったよね? おなかすいてんの?」と瞬時に反応し、いじった。取材中だったこともあり、スタッフは申し訳なさそうな表情を浮かべながら「ほんとうにすみませんでした」と苦笑い。これもまた、取材現場が和んだ。

インタビュー中、鈴木は自身の性格を「結構気を使うタイプ、みんなが笑顔じゃないと気になるタイプ」と分析していた。その言葉どおり、鈴木の人柄がよく伝わる現場だった。【三須佳夏】