吉本興業が手掛け、広井王子氏(67)が総合演出を務める「少女歌劇団ミモザーヌ」が9日、東京・港区の草月ホールで冬公演「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」を行った。

同歌劇団のメンバーは12~19歳の少女で構成され、20歳で卒団する。昨年12月28日にも大阪で同公演を行っており、今回をもって最年長の、きくたまこと(20)がグループ初の卒団を迎えた。

きくたは1期生として加入し、約3年間活動した。公演終盤には1人でステージに立ち「10代のかけがえのない時間をここで過ごせたことは私にとって人生の宝物だったと思います。春に小さなつぼみが美しく咲いて、美しい時に散っていく桜のように、そんなはかない少女たちをこれからも温かく見守っていただけたら幸いです」と涙ぐみながらあいさつした。

加入前からミュージカル「アニー」や「赤毛のアン」、劇団四季「サウンド・オブ・ミュージック」などに出演経験があり、ミモザーヌでは団長としてメンバーをけん引。歌唱力やダンスなどのパフォーマンスはもちろん、ステージ外でも年少メンバーの世話役にまわり「お姉ちゃんというより、お母さん」と言われることもあった。

終盤にはそんな後輩たちが目に涙を浮かべて次々ときくたに抱きついた。きくたは「私はここで人のつながりって本当にすてきだなと何度も思いました。みんなには人と人をつなぐ架け橋となるようなグループになっていってくれたらうれしいなと思っています。これからも私は少女歌劇団のことを全力で応援していきます」とメッセージを送った。

今後も芸能活動を続け、女優やタレントとして活動していく予定だ。最初の卒団生として「歌劇団にプラスになるものを与えられるように頑張ろうという思いはあります」と強く意気込んでいる。

ミモザーヌは結成してまだ約3年。ここ2年間はコロナ禍にも見舞われ、初めて有観客公演を行えたのは昨年8月だった。1月22日まで4期生も募集しており、きくたの卒団とともに新たな1歩も踏み出す。きくたはアンコールの最後にも登場し「今日ここにいる方たちは次の公演も絶対に見に来てくださいね。私もみなさんの顔をチェックしてますから!」といたずらっぽく笑った。最後までミモザーヌのことを思い、華やかに笑顔でステージを去った。【松尾幸之介】

◆少女歌劇団ミモザーヌ 広井王子氏が総合演出を手掛けるレビューカンパニー。「清く。明るく。麗しく。」をテーマとしており、メンバーの条件は11歳以上で20歳を迎えると卒業となる。18年に1期生のオーディションが行われて、応募総数736人から14人が選ばれた。現在は1~3期生、研究生の計26人が所属。20年12月30日に配信で旗揚げ公演を開催した。グループ名は花の「ミモザ」に由来し、ミモザの花言葉は「友情」「優雅」とも言われている。