東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)主催の第64回(21年度)ブルーリボン賞が23日までに決定し、岡田准一(41)がジャニーズ事務所所属の現役俳優で初の主演男優賞を受賞した。対象作「燃えよ剣」(原田眞人監督)を「大作を任されるようになった集大成」「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(江口カン監督)を「映画人生を作り直す作品」と位置付け「表面じゃないものを評価いただいた」と喜んだ。
◇ ◇ ◇
かみしめた喜びが、岡田の口からあふれ出た。
「新聞記者の方から評価をいただくブルーリボン賞は、すごく遠いイメージがあった。うれしい」
15年の日本アカデミー賞で最優秀主演、助演男優賞の2冠に輝いた時、日本映画の系譜を継ぐ覚悟を示して涙した。それ以後「世界に売れるエンタメを作るには、共通言語として体で面白いものを作ること」と信じ、歩んできた。平成最後に撮影した「燃えよ剣」で剣技の構築と指導、令和になって「日本映画でチャレンジしている画作りを目指す」を合言葉に臨んだ「ザ・ファブル-」でも、アクションを作るファイトコレオグラファーを兼任した。
昨年は、11月1日にV6が26年の活動を終えた節目でもあった。「グループが終わることも分かりながら進んでいた」中で巡り合った「燃えよ剣」。緒形拳さん、渡哲也さん、原田芳雄さん、田村正和さんら尊敬する先輩から「続けていかなければいけない」と聞かされ、勉強した時代劇の大作として勝負した。「ずっと合格はもらえないかも知れないですけど、作れる限りは作りたい」と誓った。
V6メンバーへの思いは今も深い。「1人になった実感は正直、まだない。他のメンバーが何しているかなと気になる」という。受賞を「あいつ、頑張っているなと安心してもらえる1つ。ひそかに生きてるよというメッセージは送れると思う」と考えている。
「もうちょっと、映画作りして良いと言ってもらった気がする。救われた」と受賞を捉える一方「本物なのかは自分でも、ずっと疑問はある」とも口にした。「45歳までに格闘技でもう1つ黒帯を取り、時間をかけて芝居を詰め55歳であいつは本物だと言われる人になりたい」。受賞は目指す本物への道しるべになる。【村上幸将】
◆岡田准一(おかだ・じゅんいち)1980年(昭55)11月18日、大阪府生まれ。95年V6としてCDデビュー。同年フジテレビ系ドラマ「Vの炎」で俳優デビュー。ドラマはTBS系「木更津キャッツアイ」、フジテレビ系「SP」シリーズなど。14年初出演のNHK大河「軍師官兵衛」で主演。松本潤主演の23年大河「どうする家康」では織田信長役。映画は他に08年「陰日向に咲く」13年「永遠の0」18年「散り椿」など。格闘技の他に登山や歴史も愛好。血液型B。
◆ブルーリボン賞 1950年(昭25)創設。「青空のもとで取材した記者が選出する賞」が名前の由来。当初は一般紙が主催も61年に脱退し67~74年の中断を経て、東京映画記者会主催で75年に再開。ペンが記者の象徴であることから副賞は万年筆。主演男、女優賞受賞者が、翌年の授賞式で司会を務めるのが恒例。



