大阪市北区のMBSテレビは11日、日本維新の会元代表の橋下徹氏と同代表の松井一郎大阪市長、同副代表の吉村洋文大阪府知事がゲスト出演したトーク番組「東野&吉田のほっとけない人(今年元日放送、関西ローカル)」で、政治的公平性への問題点が指摘されていた件について、番組審議会へ報告。審議会側の出席委員からの指摘、反応なども発表した。

委員側からは、バラエティー番組への甘えに加え「バラエティー番組だから許されるということはない。むしろバラエティー番組の方が影響力は大きい」との指摘があり、「政治的公平性に関して、番組個別ではなく、毎日放送(MBSテレビ)全体でバランスがとれていると考えているのか」などの意見があった。

同局では、審議会への報告の中で、放送法と放送基準に対する考えも示しており、同局は放送法第四条の「政治的に公平であること」について、16年に提示された政府の統一見解から、その適合性の判断にあたっては「ひとつの番組ではなく、放送事業者の『番組全体を見て判断する』としてきた解釈に変更はない」と認識を持っていると説明。

ただし、同局の放送基準に「政治に関する問題は公正な立場を守る」と定めていることなどから「ひとつの番組内で政治的に偏りがあってもいいことにはならない。社内には認識がなかったわけではないが、制作、編成の現場にまで正しく浸透していなかった」と謝罪の意を伝えている。

また、委員からは、今回の3人について「本当におもしろおかしくしゃべられるので、正月特番に出そうという企画の意図は分かる。横山ノックさんが知事になってから、大阪の首長はおもしろくしゃべられる人がなっているような傾向を感じる」との声もあった。

大阪府知事、大阪の“顔”の系譜からの影響を指摘する意見も出た。

今回の番組でも、吉村氏が「いつか総理になると思う人は」との質問に、小泉進次郎氏をあげ「いい人だった」エピソードを披露。橋下氏も維新と距離を保ち、偏りへの配慮をしたトークも行うなど、話術の“技量”は高い。番組でも、維新の衆院選躍進を扱った際には「調子に乗ってない?」と批判的ナレーションも入っている。

ただ、これについて、委員からは「アリバイ的にナレーションで批判めいたことを言って、それを免罪符にして、スタジオのトークに入った後は出演者任せという方法は姑息(こそく)なやり方と感じる。公平性、バランスと言うなら、本質的な部分でやってほしい」と、厳しい意見もあがった。