狂言師、演出家の野村萬斎(55)が14日、都内で、世田谷パブリックシアターの芸術監督交代会見に出席した。02年に同劇場の芸術監督に就任し、今月末で退任する。

萬斎は、20年間の任期を振り返り「濃密な時間を過ごさせていただいた。演出でも出演でも学ばせていただいた」と感謝した。

芸術監督の経験や、鎮魂と再生を表現する狂言を復興五輪に位置づけられた東京オリンピック(五輪)の開会式に生かしたいと思っていたことも話し、萬斎は「諸事情あって、志半ばで断ち切られたのは残念」とした。

今後については「これからの生き方や作品でお返しする。時間ができるので、違うジャンルにも挑戦したい」と話した。

4月から芸術監督に就任する白井晃(64)は「後を引き継ぐ重みを感じています。私の役割は未来への橋渡し。5年後、10年後の世田谷パブリックシアターの姿を考えながらやっていきたい」と語った。