映画「ゴジラ」やミュージカルなどで知られる俳優宝田明(たからだ・あきら)さんが、14日午前0時31分、肺炎のため87歳で亡くなったことを18日、宝田さんが主演する最新映画「世の中にたえて桜のなかりせば」(三宅伸行監督、4月1日公開)の製作委員会が発表した。葬儀は遺族の意向により近親者のみで執り行われた。

同作の公式サイトでも訃報を発表。同サイトでは以下のように掲載された。

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本作『世の中にたえて桜のなかりせば』で岩本蓮加(乃木坂46)と共に主演を務め、エグゼクティブプロデューサーも務めた宝田明が2022年3月14日(月)に急逝いたしました。この映画は宝田が「桜」をモチーフに企画を温め、宝田の情熱で実現に至ったものです。

宝田は1954年東宝ニューフェイス第6期生としてデビュー以来、映画や舞台、TVの第一線で活躍してまいりました。4月1日(金)公開の本作が遺作となります。

お知らせが遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げますとともに、故人が生前に賜りましたご厚誼に対し、熱く御礼申し上げます。

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宝田さんは同作で、約70歳差の乃木坂46岩本蓮加(18)とダブル主演。今月10日には完成披露舞台あいさつに出席し、映画制作への飽くなき意欲を明かしていたばかりだった。この時、車いすに乗って登壇し「腰痛をずっと患っておりまして、ここのところ痛みが激しくなりまして。まずはこの非礼をまずお許しくださればと思います」と説明していた。

1953年東宝ニューフェイス6期生として芸能界入り。当時日本人離れした180センチの長身と甘いマスクで人気になり、54年映画「かくて自由の鐘は鳴る」でデビュー。同年「ゴジラ」に初主演した。「青い山脈」など数々の映画に出演した。

ミュージカルスターの草分けとしても知られた。64年舞台「アニーよ銃をとれ」でブロードウェーミュージカルに出演。以後「サウンド・オブ・ミュージック」「風と共に去りぬ」「マイ・フェア・レディ」など多くの名作に出演した。