宝塚歌劇団きってのダンサー、花組トップ柚香光(ゆずか・れい)が21日、大阪・梅田芸術劇場で、名作ミュージカル映画を舞台化した主演作「TOP HAT」の初日を迎えた。脚本・演出は斎藤吉正氏。

フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース主演の米ハリウッド映画は1935年公開。舞台は、11年にイギリスで初演され、15年宙組が日本初演となった。以来、7年ぶりの再演。柚香自身が敬愛し、映画は「何度も見た」と言う作品で、フレッド・アステアが演じた花形ダンサーにふんした。

新人時代からキレのある華やかなダンスで頭角を現し、スター街道を駆け上がってきた柚香。ハリウッドのミュージカル映画で代表的スターだったフレッド・アステアは、あこがれの存在だった。13年の主演作「フォーエバー・ガーシュイン」(宝塚バウホール)では、そのアステア自身も演じている。

今作でも、タップダンス、軽やかなステップを披露。訪問先で出会ったモデルのデイルに一目ぼれしたことで、展開するラブコメディーを軽快に表現した。

デイル役は、トップ娘役の星風まどか。宙組出身の星風は、7年前の初演時にも下級生ながら参加しており、柚香と息のあったデュエットダンスでも魅了。英国人プロデューサーで、柚香演じる主人公の友人ホレスは、柚香と同期の人気スター水美舞斗がふんした。

柚香らは、開幕前日の20日夜、同劇場で、通し舞台稽古を行い、最終チェック。柚香は「(同日の稽古でも)ハプニングもありましたが、明日からの初日、全員けがなく、無事に、健康で千秋楽を迎えられるよう精進して参ります」と言い、初日に備えていた。

公演は梅田芸術劇場で4月6日まで。