第94回米アカデミー賞で主演男優賞を受賞した米俳優ウィル・スミス（53）が28日（日本時間29日）インスタグラムを更新し、前日27日（同28日）に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた授賞式の最中に、コメディアンのクリス・ロック（57）にビンタを張った件について声明を発表し、謝罪した。スミスは「全ての暴力は、有毒で、破壊的です。昨晩のアカデミー賞授賞式での、私のふるまいは、受け入れがたくて、許しがたかったです」とつづった。

スミスは、ロックが「ジェイダ、愛しているよ。『G．I．ジェーン2』が待ちきれない」と口走った次の瞬間、怒りの形相で近寄ると「ボコッ」と音がするほど右手で強烈に平手打ちした。97年の映画「G．I．ジェーン」は、デミ・ムーアが役作りで丸刈りになったことが話題になった作品だが、スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミス（50）は脱毛症に苦しんでいた。

スミスは「（ロックの）ジョークは、私の仕事における価値の一部です。ただ、ジェイダの病状についての冗談は私にとっては許容範囲を超えており、感情的に反応してしまった」とビンタに及んだ理由を説明した。

その上で、ロックに対し「公にあなたに謝罪したいです、クリス。私は一線を越えてしまった…間違っていました。私は恥ずかしいし、私がそうありたい人間の行動ではありませんでした」と公の場で謝罪したい考えを明らかにした。また、受賞後のスピーチで、劇中で演じたテニスのウィリアムズ姉妹の父リチャードを引き合いに「クレイジーな父親のように振る舞った。愛情によってクレイジーな行動に出るもの」と語った件を踏まえ「愛と親切の世界に暴力の居場所はない」と自らを断罪した。

アカデミー賞を主催する芸術科学アカデミーは声明を発表し「昨晩のショーにおけるスミス氏の行為を非難する」と批判し、調査に入ることを明らかにしている。スミスは「アカデミーにも謝罪したい。授賞式のプロデューサー、全ての出席者と世界中で見ていた誰にでも謝罪したいです」と芸術科学アカデミー、出席者、視聴者にも謝罪した。

さらに「ドリームプラン」で描いたウィリアムズ一家に対しても「ウィリアムズ家と私の王様・リチャード一家に謝罪したいです」と謝罪した。

そして「私は、私のふるまいが、我々全員にとって、それ（自分が暴力をふるったシーン）以外は素晴らしい旅行であったことに、しみをつけたことを深く残念に思います」と改めてアカデミー賞授賞式の参加者に謝罪。最後に「私は、いまだ成長の過程にあります」とつづった。