整体師のゴッドハンドとして知られ、芸能界にも信奉者が多い美容矯正士、骨格矯正士の清水ろっかん氏(66)がこのほど、「耳穴スイッチ」(世界文化社)を出版した。1分程度の簡単なマッサージで、蝶形骨(ちょうけいこつ)に刺激を届け、効果的にゆがみを解消するメソッドを紹介している。

昨年には、頭と目の周りを手のひらでマッサージするだけで、眼圧を下げ、目の不調がなくなるという目の健康本「眼圧リセット」(飛鳥新社)を出版。15万部超のベストセラーになっている。

目の不調にしても、耳の不調にしても、いずれも頭蓋骨のゆがみが原因だという。

明大柔道部出身の清水氏は在学中から整体を学び、整体師や骨格セラピストとして活躍。骨盤のゆがみと股関節の開きに着目し、独特の骨格矯正技術「ろっかん式」を考案し、同時に美容整体や小顔矯正も始める。その後、悪性リンパ腫を患ったことをきっかけに、重症な人を手当てする、治療専門の「ろっかん塾」を20年4月に開設し、治療に当たっている。

「眼圧リセット」も小顔矯正を行う中で、視力が上がった、視界がクリアになったことから、読者が自分でできるマッサージを紹介。これが話題となり、ベストセラーになった。

「耳穴スイッチ」も同じく、突発性難聴やストレスによる難聴に悩む患者を治療するにあたり、これまで骨格矯正で培ったメソッドをまとめた1冊だ。

清水氏は「目は眼窩(がんか)を広げることで、眼圧を下げ、血流がよくなりました。今回の本で紹介しているのは、蝶形骨です。頭蓋骨を裏から支えている骨で、目も耳も、この骨がおさえています。この蝶形骨が前後左右に動くことで、頭蓋骨にゆがみがでるので、この骨を調整して、耳も目も鼻も整えましょうということです」。

「ろっかん塾」には、難聴に苦しむ患者が数多く駆け込んでくる。清水氏によると、これらの難聴は、西洋医学では効果的な治療法が見つからないという。「いきなり難聴になるのではなく、その前には、ストレスや過労、体の痛みなどがあり、その後、耳が聞こえにくいという症状が出ます。これらは、蝶形骨がずれ、いわゆる片方の頭蓋骨が落ちると理解してください。落ちた時に耳の穴に骨がかぶってきて、鼓膜や蝸牛(かぎゅう)がゆがみ、聞こえにくくなるんです。患者さんの耳の穴に指を入れると、骨が下がってきているのがわかります」。

つまり、難聴や耳鳴り、めまいなどの耳のトラブルは、耳の機能低下のサインだということだ。そして、耳の機能低下の多くは、頭蓋骨のゆがみに由来しているとされ、前述の1分間程度のマッサージを蝶形骨に届けることで、効果的なゆがみを解消するメソッドを紹介しているのが「耳穴スイッチ」だ。

例えば、両方の耳の穴を押し上げると、下がっている側頭骨が押し上げられ、左右の傾きが解消される。圧迫されていた鼓膜や内耳がストレスから解放され、低下していた耳の機能が改善されるという。耳の穴を前方に押すと、奥に入ってしまった蝶形骨を前方へ押し出すことができ、さらに、耳の穴を押し下げると、顎関節の詰まり、落ち込み、ほお骨と顎関節のズレが改善。あごの関節がほぐされ、あごの骨の左右差や蝶形骨の上下の傾きも解消される。

 

◆清水(しみず)ろっかん 1955年(昭30)8月29日、東京都生まれ。明治大学柔道部在学中から整体術を学ぶ。98年、均整体クリニックを設立。10年から都内でに美容矯正サロン「フォルムグループ」を展開。20年4月、東京・高円寺にろっかん塾を開設。日本美容矯正士協会理事長も務める。主な著書に「坐骨に敷くどこでも腰楽パッド」「仙腸関節ストレッチ」「パンプスらくらくフットカバー」「くびれ美ボディダイエット」など多数。