吉岡里帆(29)が14日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「ハケンアニメ!」(吉野耕平監督、5月20日公開)完成披露試写会で「シンプルに自信作です。必ず皆さんに刺さるんではないかと、丁寧に撮ってきました」と胸を張った。

「ハケンアニメ!」は作家・辻村深月氏(42)の同名小説の映画化作品で、吉岡は一世一代の大チャンスをつかんだ新人アニメ監督・斎藤瞳を演じた。「私が演じた瞳は新人アニメ監督なんですけど、自分の中では熱い思い、こんな作品を作りたいというのはあるけれど、うまく伝えられない。熱く、燃えているんだけど伝えられない…同世代だから、分かるなと」と演じた役どころに共感したと振り返った。

吉岡は、舞台あいさつの途中で登壇した辻村氏から「まず映画を見る時、吉岡里帆の映画を見るんだと見始め、開始2分で忘れるくらい、私の描いた瞳が成長して言う…怒り、喜びの演技が、たくさんある中で、瞳だからこの表情をするんだと…ラストも素晴らしかった」とたたえられ「いやぁ…すごく感謝しかないですし」と感激した。その上で「初めにお話をいただいた時、心が折れそう、どうしたらいいんだろう…ということの解決法を作品が言っていて、不安がどんどん解消されるのを感じました。みんなで1本を作るという行為と、本編が重なって人に作品を見ていただく幸せを感じ、これからの人生にとってお守りになる作品になりました」と作品への思いを語った。

「ハケンアニメ!」は連続アニメ「サウンドバック 奏の石」で夢の監督デビューが決定した斎藤瞳(吉岡)が、気合が空回りして制作現場には早くも暗雲がたれこめる。大抜てきしてくれたはずのプロデューサー行城理(柄本佑)は、ビジネス最優先で瞳にとって最大のストレスメーカーでしかない。最大のライバルは、瞳も憧れる天才・王子千晴監督(中村倫也)の復帰作「運命戦線リデルライト」だが、その才能にほれ抜き、復活に懸けるプロデューサー有科香屋子(尾野真千子)も、王子の超ワガママ、気まぐれに振り回され悪戦苦闘中だった。瞳は一筋縄じゃいかないスタッフや声優たちも巻き込んで、熱い“想い”をぶつけ合いながら“ハケン=覇権”を争う戦いを繰り広げる物語。

吉岡は最後に「何かに一生懸命になって挫折したり悩んだ、その先の希望的なメッセージが伝わると信じております。皆さんに、刺さりますように」とメッセージを送った。そこで締めようとしたが、慌てて「もう1つだけ…うっかりしてた。エンディング、素晴らしい…一番、最後まで見きってください オチが…ダメ」と笑った。その上で「最後まで見るように、と書いてくださると、とても助かります」と取材席を埋め尽くした取材陣に呼び掛けた。

舞台あいさつには中村倫也(35)と尾野真千子(40)も登壇した。