「サザエさんのうた」「マジンガーZ」などを手掛けた作編曲家の渡辺宙明(ちゅうめい、本名=みちあき)さんが23日午前4時、老衰による心不全のため亡くなった。96歳だった。「日本コロムビア」によると、通夜や葬儀は、近親者のみですでに執り行ったという。

同社は「去る6月23日午前4時、老衰による心不全のため永眠しましたことをご報告させていただきます。ここに、生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知致します」と報告した。

渡辺さんは愛知県出身。東大心理学科を卒業後、團伊玖磨さん、諸井三郎さん、渡辺貞夫氏に師事。1956年(昭31)に「人形佐七捕物帳妖艶六死美人」の映画音楽を担当して以降、クラシックからジャズまで、幅広く音楽を提供し、72年には「人造人間キカイダー」の劇判やオープニング曲「ゴーゴー・キカイダー」の作編曲などを手掛けた。

アニメ「マジンガーZ」「サザエさん」「野球狂の詩」や、スーパー戦隊シリーズ「秘密戦隊ゴレンジャー」「太陽戦隊サンバルカン」、メタルヒーローシリーズ「宇宙刑事ギャバン」など、多くの人気作の音楽を手掛けた。21年から今年にかけて放送の「機界戦隊ゼンカイジャー」では、大石憲一郎氏と共作で39年ぶりに劇伴を1年間担当していた。