ジャニーズJr.内ユニット、HiHi Jetsと美 少年が2年連続で主演を務める舞台「少年たち あの空を見上げて」(東京・新橋演舞場など)が11日、初日を迎えた。故ジャニー喜多川氏演出で69年に初演された歴史あるミュージカル作品で、今回は同事務所の先輩、内博貴(36)が看守長役で出演するなど、変化を加えた内容で成長した姿をみせた。演出を受け継いだ滝沢秀明ジャニーズ事務所副社長(40)も取材に応じ、メンバーへの期待などを語った。

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先輩たちの伝統も受け継ぎ、HiHi Jetsと美 少年が2年連続の大役を全うする。今回は1部制だった昨年から2部制へと変更。上演時間は約15分間延びた。18年の同舞台に出演したSixTONESとSnow Manが行ったバスケットボールのパフォーマンスシーンも4年ぶりに復活。限られた時間の中で練習を積み、初日公演前のゲネプロではジャンプ台を使った華麗なダンクシュートなどを決めて魅せた。

HiHi Jets高橋優斗(22)は「みんなで声を出すようになりましたし、あのシーンがあることでチームワークが高まりました」と振り返った。実際にシュートを決めた作間龍斗(19)も「あの生感はたまらなかったですね」と語り「本番でみんなが前で応援してくれていて、お客さんも見てくれていると、さぞかし気持ちいいと思います」と笑わせた。

良きお手本の姿もある。今回は滝沢副社長の指名で、看守長役として舞台経験豊富な内を起用。声の出し方などアドバイスを受けることも多いといい、昨年はいなかった偉大な先輩の存在が支えとなっている。取材では稽古期間中に内がメンバーのご飯をおごったエピソードを披露するなど打ち解けた様子もみせた。

内は取材で「どうもジャニーズJr.の内博貴です」とあいさつして笑わせつつ「みんなのお芝居のサポートができたらいいなと思います。このステージに立てることが当たり前と思わないでほしいなと思いますし、選ばれし人間なんだという思考を持って最後までやってほしいなとお父さんは思っております」とエールを送った。

会場の新橋演舞場にはジャニー氏がいつも使っていた楽屋に同氏の写真などを飾り、メンバーらが集まれる「ジャニさん部屋」を作っている。舞台の修正点などを話し合う時などに使っているといい、美 少年の岩■大昇(20)は「去年培ったものをいろいろと深掘りして臨んでいるので、そういうところをジャニーさんにも見ていてほしい」と語った。

10月13日まで新橋演舞場、同28日から11月6日までは名古屋・御園座でも上演する。【松尾幸之介】

 

※■は崎の大が立の下の横棒なし

 

○…滝沢副社長は今回の演出のポイントに伝統継承の重要性を挙げた。4年ぶり復活のバスケシーンについては「何かないかと考えていて、ある意味伝統を引き継ぐという意味で決めた」と語り、サブタイトルとした「あの空を見上げて」に込めた意図についても説明。「地上はどんどん変わっていくけど、空はいつも変わらずにいてくれる。集合場所として空を見つめることで、みんなの心がつながっているという思いを込めました」と話した。

内の起用については出演舞台などを見る中で「役にはまると思った」と直接オファーしたといい「内容に深みが出たと思います」と評価した。

今回は2会場をまたぐロングラン公演となっており、メンバーにとっても新たな挑戦となる。「難しさも感じると思いますし、彼らへの期待もある」と思いを語り「ライバルがいることでどちらも成長できると思いますし、すごく良い環境だなと思っています。たくさんの方へエネルギーを届けられたら」とした。

 

◆「少年たち」 69年に初演されて以来、ジャニーズ事務所に所属する若手メンバーの登竜門的な作品となっているミュージカルシリーズ。刑務所を舞台に、少年たちの苦悩や葛藤を描く作品で、毎回アレンジを加えながら上演される。これまでKis-My-Ft2やA.B.C-Zらも出演。19年にはジャニー喜多川氏が初めて製作総指揮を務めた映画「少年たち」も公開された。