英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が、2人の子どもたちに王族の敬称のひとつ「HRH(His/Her Royal Highness=殿下または妃殿下)」が与えられないことがことが分かり、激怒しているという。

英サン紙によると、エリザベス女王の死去後に跡を継いで即位したチャールズ新国王が、孫のアーチー君(3)とリリベットちゃん(1)を「王子」と「王女」に任命することをに同意したものの、HRHの称号は得られないことが明らかになったという。

慈善団体のイベントに出席するため英国に滞在中だった8日にエリザベス女王が死去したことを受け、夫妻は帰国予定を変更して19日の国葬に参列するため英国にとどまっており、その間に米国で暮らす孫たちに称号を与えるよう主張を続けていたという。

報道によると、チャールズ国王とヘンリー王子夫妻との間でこの数日間、緊迫した話し合いが行われていたといい、最終的に国王が特許状を発行してアーチー君とリリベットちゃんに王子と王女の称号を与えることに同意したという。

一方で、王室の公務を行っていないことを理由に殿下・妃殿下になることは拒否した。

エリザベス女王が死去し、チャールズ皇太子が国王になったことに伴い、君主の孫であるアーチー君とリリベットちゃんは規則上では自動的に王族の称号を得る権利があるが、王室の公式サイトでは2人の王位継承順位が6位と7位に変更された以外は名前に変化がないことが話題になっていた。

チャールズ国王は、かねて王室のスリム化を計画しており、その一環でヘンリー王子夫妻の子供たちに称号を与えないのではないかとうわさされていた。

夫妻は女王の死去後に「執拗(しつよう)」に称号を要求するようになったと関係者は話し、その理由は子どもたちの安全上の問題だと述べている。話し合いの場で夫妻は、いとこのベアトリス王女とユージェニー王女は公務を行っていないがHRHを保持していると反論するなどHRHの称号に強くこだわっていたものとみられる。

夫妻は昨年出演したテレビ番組のインタビューで、メーガン妃がアフリカ系の血を引くことから、暗に王室は子どもたちに「称号を与えたくなかった」と主張して物議を醸していた。

夫妻は2020年に公務から退く代わりに、HRHの敬称を使用することを放棄することで王室と合意している。HRHの称号を持つ王族は、君主の代理を務めるなど公務を行うことが求められる代わりに公的資金の一部や警護が提供される。米国で暮らす夫妻の2人の子供たちは、両親と同様に現役の王室メンバーではないため、殿下と妃殿下にはなれないというのが王室の判断だったようだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)