日本テレビは26日、都内の同局で定例社長会見を行い、石澤顕社長が27日の安倍晋三元首相の国葬における報道姿勢について説明した。

国葬の企画・演出を手がけるムラヤマは、3月に日本テレビホールディングスが100%の出資で子会社化している。今回は国の行った一般競争入札にムラヤマからのみ入札があり、企画・演出業務を担うことが決定していた。石澤社長はグループ企業が企画・入札を行うことによる報道への影響を否定し「ムラヤマにはムラヤマとしての力を発揮していただくということだけのことでありますので、報道姿勢、あるいは放送姿勢に何らかの影響があるかないかということで言うと、いささかも影響はないという風に申し上げておきたいと思います」と語った。

同社が120年の歴史を誇る老舗であることなどにも触れ、子会社化の経緯についても説明した。「そもそもは舞台装飾から始まり、特殊造形と、イベントの進行管理ができる会社です」とし「日本テレビグループにこうしたイベント、一級建築免許を持って、設備を整えて進行できる、もっぱらにそうしたことができる企業はありませんでしたので、ぜひともグループの一員になって一緒にシナジーを見いだしていきたいということで、こういった観点から取得した経緯があります」と明かした。

落札の経緯については「まさしくムラヤマさんの実績」とし、「こういった受注ができる資格がありやなしやとすると、4社ほどに限られている。その中で短期間で成し遂げるノウハウがあるかないか、そのあたりの審査を受けた結果、受注が決まったと感じておりますので、ひとえに正しい手続きで正当に選んでいただいたのかなと思っております」と話した。

また、石澤社長はムラヤマが政府から依頼される戦没者慰霊祭や東日本大震災の慰霊祭、宮内庁の園遊会なども手がけていることなども紹介。加えて「我々が注目しているのは、エンターテインメントにおける力量といったところであります」とし、「直近ではドバイ万博の日本館の仕事を受注、日テレとの関係では出資する以前ではありますが、ラグビーW杯日本大会でムラヤマが一部をしっかりと仕切られていた。あとになってムラヤマさんだったんだという関係です。幅広い力を持った企業であるということであります」と語った。

日テレは午後2時の国葬開始に合わせ、通常放送の「ヒルナンデス!」を10分短縮し、午後1時45分から同3時50分まで特番として「NNN news every.特別版 半世紀ぶり『国葬』歴史的1日完全中継」を放送する。また、国葬には石澤社長のほか、杉山美邦会長、小杉善信顧問が出席予定であることも明かした。石澤社長は「それぞれ、安倍元総理に関する個人的なつながりであったりや思い、哀悼の意を示すという観点から出席をそれぞれの判断で決めたという経緯でございます」とした。