NHKは28日、今年4月に行った和歌山・高野山テレビ中継放送所の設備更新工事中、世界遺産の高野参詣道の一部を破損させた件について職員の処分を発表した。

同局は4月、関連会社のNHKテクノロジーズ(以下、NT)に発注し、高野山テレビ中継放送所の更新工事を実施。当該工事ではNTの担当者が許可を得ずに高野参詣道女人道に土のうを設置して一部を破壊させ、和歌山県および高野町から、文化財保護法、自然公園法に違反すると指摘を受けていた。

処分は技術局局長、同専任局長2人、同部長の4人が対象で、いずれも減給処分となる。NHKから出向するNTの代表取締役社長も減給となった。理事を務める児玉圭司技師長は、役員報酬の10%を3カ月自主返納する。

NHKは「貴重な文化財を破損したことについて、関係者や視聴者のみなさまに改めて深くお詫びいたします。NHKおよびグループとして、コンプライアンス教育を徹底してまいります」としている。

工事を請け負ったNTも、同日付で工事担当者や上司らに対する出勤停止や減給などの懲戒処分を発表している。