来月に13代目市川團十郎白猿襲名を控える歌舞伎俳優市川海老蔵(44)と、Snow Man宮舘涼太(29)が4日、都内で、「初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」(来年1月6~27日、東京・新橋演舞場)の会見を行った。2人の共演は19年の同作以来。

古典の名作「源平布引滝 実盛物語」を軸にした作品で、海老蔵は自身が実盛を、宮舘が義仲、義賢の2役を演じると明かした。

海老蔵は、3年前の宮舘の印象を「妥協も手抜きも、自分に甘えようということもみじんもなかった」と振り返った上で、Snow Manとしてデビューした宮舘に「3年間の一生懸命さがあると思うので、どうやって向き合うのかを見て僕も勉強したいと思います」と、一層期待した。

2役演じることを、会見の席上で初めて聞いたという宮舘は「そうなんですか!? 気持ちの整理が付かないですね。本当に今知ったことなので、帰ってすぐ勉強したいです」と困惑しつつ、「経験はジュニアのころよりはさせていただいている。エネルギッシュに伝えられるものを日々探して3年間活動してきた」と自信を見せた。

海老蔵が「舘様」と愛称で呼ぶ場面もあり、宮舘は「聞きました? 舘様と…」と驚きつつ、大喜びだった。

宮舘が時代劇や歌舞伎への思いを語ると、海老蔵は「挑戦したいと言ってくれて、継承されるのは可能性が広がる。いい時代劇のお役が来るといいなあと思いました。その時は私を使って」と笑った。

海老蔵との共演が「衝撃的だった」と語る宮舘は、当時作った雪の結晶を紋に入れた着物を着て「ついに始まるんだという気持ち」と決意を見せた。【小林千穂】

○…海老蔵は11、12月に東京・歌舞伎座で13代目市川團十郎白猿の襲名披露興行を控える。「SANEMORI」の公演は團十郎として迎える新しい1年の1歩となる。海老蔵は「新しいものを作り上げることに対し(代々の)團十郎には信念があった。守りに徹するわけではない姿勢を見せなければいけない。所信表明としてとらえていただければ」と、公演の意義を語った。

続けてきた自主公演「ABKAI」については「團十郎になるからDANKAIですか?」と言いつつ「(どうするか)今後考えます。自分のことではなく、次の世代、次の次の世代、息子や娘たちの世代、未来につながることを考える立場、年齢になってきたのかなと思います」と話した。