「THE MATCH 2022」のメインマッチで那須川天心(24)-武尊(31)の一戦が行われた6月19日から3カ月半がたった。長年格闘技ファンが待ち望んでいたキックボクシング界の「神童」とK-1の3階級制覇王者による夢の対決に日本中が熱狂。同試合を撮影し、先月22日に同大会の公式写真集「THE MATCH 2022 IN TOKYO DOME」(MINT刊)を発売したカメラマンの新田桂一さん(46)がこのほど文書で日刊スポーツの取材に応じ、その興奮を振り返った。

世紀の一戦のカメラマンを担当することが決まった際の心境について「1番はワクワクが大きかったですね。格闘技は個人的に大好きなので、その大好きな格闘技にどう自分を表現出来るか、考えていました」。

間近で感じたそれぞれの「すごさ」を聞くと「思い返してみるとやはり撮影しながらなので、余裕はありませんでした(笑い)。ただ前日から両選手と交わる時間はありましたので、両選手、この3分3Rという限られた時間に思いをぶつけ合うという真剣な感じが伝わりました。空気感は近くでものすごく、感じました」。

試合中で印象深いことについては「1番は臨場感、距離感ですね」と言い「リングサイドから見えた僕の目線を写真に通して受け取ってほしいです」。

「THE MATCH」では、天心-武尊以外にもビッグマッチがいくつも組まれた。「精神を高めて一瞬に全てをかける選手たちをみて、僕自身も武者震いをしてしまいました」と振り返りつつ「リングの上にはあがれませんが、リングサイドでしっかり僕もハンターしてました(笑い)」と写真集をアピールした。

新田さんは、97年に渡米し、写真家テリー・リチャード氏のアシスタントを経て06年に帰国。日本を拠点にパッショナブルな作風で、広告、ファッション誌の撮影など幅広く活躍する。18年には第49回講談社出版文化賞写真賞を受賞した。