ヒロインが空を飛ぶ夢を実現させようと奔走する姿を描くNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

町工場を手伝いながら、育児にも奔走するヒロインの母に永作博美(51)がふんしている。制作のNHK大阪放送局は7日、永作のコメントを発表。実生活でも2人の子供を持つ永作は「役を通して育児体験をもう1回楽しんでいます」などと、役柄へ共感する思いなどを寄せた。

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永作は、今作出演のオファーを受け、タイトルを聞いて心が動き「直感的に『あ、やりたい!』と思いました」と言う。

永作演じるヒロインの母めぐみは、長崎の五島列島出身。大学時代に浩太(高橋克典)と出会い、駆け落ち同然で結婚。2人の子供を育てながら、町工場も手伝っている。

「めぐみは、たいへん頑張り屋さん。自分の中で戦いながら生きてきた分、子供に対しても期待してしまうところがありますが、基本は優しく厳しく大切に育てたいと思っているお母さん。今回、お母さん役が楽しみでした」

役柄の設定にも共感を抱いた。加えて、実生活での育児経験から「そうそう! と共感しながら台本を読んでいます」とも語る。

「私自身が母となり、子供の就学前と後で生活が違うこと、朝のたいへんさ、登校する・しないという子供の繊細な部分をどこまで拾い上げるのか。実体験として知っていたのはよかったです。それが、たいへんなことなのか、大したことじゃないのか-。分かるだけでも、大きな材料かな」

自身の体験を重ねあわせれば、必然と共感度も深まり「ちょっとずつ言い方を変えて子供の反応を見るなど、役を通して育児体験をもう1回楽しんでいます」。めぐみは娘の舞に「わかった?」とよく聞くが、実は永作も自身の子供に言っていたそうだ。

共演する夫役の高橋克典も実生活で父親になり、永作は「父としての思いをすごく丁寧に想像していらっしゃいます。監督ともよく話しあって、大事にお父ちゃんを作っていますね。丁寧にはしても、重くはしたくないので、お父ちゃんとお母ちゃんはいわゆる『普通の家族』でいたい」。

子供時代のヒロインは謎の体調不良に苦しみ、永作演じる母も悩む。

「幼い子は具合が悪い原因がわからないことも多いから、めぐみのように自分だけで抱え込んでいる八方ふさがりのお母さんも大勢いるんじゃないでしょうか。そんなみなさんの気持ちも、めぐみの気持ちと一緒に少しずつ軽く舞いあがっていってほしいです。世間のお母さんたちが、いつかぴょんっ! とジャンプできるようなものが届けられたら」

ドラマを見る視聴者側の“母”にも寄り添い、演じている。