東京国際映画祭が24日、開幕し、東京ミッドタウン日比谷で、3年ぶりにレッドカーペットで行われた。

眞栄田郷敦(22)が、Nippon Cinema Now(ニッポンシネマナウ)部門に出品された日米合作映画「彼方の閃光」(半野喜弘監督)の主演として登壇。檀上で「僕は個人的に、この映画が初主演作品で、半野監督と一緒にやりたいことをやりたいメンバーで、とことんこだわって実現した映画」と語った。

眞栄田は池内博之(45)尚玄(45)加藤雅也(59)らと登壇した。「このメンバーの間に立たせてもらい光栄」と語った。その上で「実は、配給会社すら、まだ決まっていない状況ではあるんですけども、今日をスタートに世界中、たくさんの人々に見てもらいたい作品。何かが動き始めたらいいなと思います」と、まだ日本国内の配給、公開が決まっていない状況を明かすとともに、東京国際映画祭で世界に羽ばたきたい意気込みを語った。

「彼方の閃光」は、音だけの世界から色彩へと帰結する物語で、長崎・沖縄の戦争の記憶、映画の根源をたどるロードムービー。眞栄田は劇中で、生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光を演じた。光にとって世界は「音」であり、カセットテープに自分の世界を録音していく。20歳になった光は長崎へと旅に出た旅先で出会った自称革命家の男友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、長崎・沖縄の戦争の痕跡をたどる。

原案も務めた半野監督は、台湾の巨匠ホウ・シャオシェン、中国のジャ・ジャンクーらのアジアを代表する監督の作品の音楽を担当した作曲家、音楽家、ミュージシャンで自らも16年に初監督作「雨にゆれる女」、19年には「パラダイス・ネクスト」と2作の監督作を手掛けている。