役所広司(66)が22日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「ファミリア」(成島出監督、23年1月6日公開)完成披露上映会で、初共演し息子役を演じた吉沢亮(28)を「いい息子ですね」と、満面の笑みをたたえて褒めた。

役所は劇中で山里に一人で暮らす陶器職人の神谷誠治を、吉沢は赴任先のアルジェリアから婚約者ナディアを連れて帰国し、結婚を機に会社を辞めて焼き物を継ぐと宣言した学を演じた。吉沢は、役所との初共演の印象を聞かれると「いつかは、ご一緒させていただきたいと思っていた方。うれしかった。話自体も素晴らしいですし、役所さんとお芝居できるというのも、参加させていただく重要なことの1つだった」と、役所が出演のきっかけだったと明かした。その上で「緊張しましたけど、すごく学ばせていただきました。役としてのたたずまい…その場に役の人間が存在する、普段の、この人の日常がこれなんだ、という説得力がすさまじい。すごかった」と、役所から受けた大きな財産を熱っぽく語った。

隣で聞いていた役所は「お父さんのことを、こんなに褒めてくれて…いい息子ですね」と、うれしさをにじませた。そして、吉沢について「撮影中も自然にシーンに入ってきて、そこに存在してくれる。僕としては、彼の存在感が体に入ってきたんだと思う」と自然体の芝居を絶賛。劇中には、ろくろを回すシーンがあるが「僕は時間をかけて苦労してろくろを練習したんですけど、吉沢君は大河(『青天を衝け』への主演)で、練習する時間が短かったのに、うまくやる。『変だな…なんでそんなに出来るんだ?』と聞いた」と振り返った。

吉沢は「大変でした。少ない時間ですけど、先生に教えてもらって頑張ってやりました」と笑みを浮かべた。