覚醒剤取締法違反(使用、所持)の罪に問われたアイドルグループ、KAT-TUN元メンバーの田中聖被告(36)の第3回公判が29日、千葉地裁松戸支部で行われた。

被告人や証人の医療関係者への尋問が行われ、田中被告も弁護人からの質問に応じた。前回と同じく黒のスーツに黒っぽいネクタイに黒メガネ姿で、時折証人らの話を聞きながらうなずく場面もあった。

田中被告は現在は関東近郊の医療施設に入院して治療を受けているという。被告人質問で11月をもって退院することを明かし、12月からはこの日、証人として出廷した精神科医が理事を務める回復支援施設に入寮して治療を行うとした。定期的な尿検査のほか、個人に合ったプログラムで半年間治療していくといい、退寮後は自宅で家族らの協力、観察を受けながら再起を目指していく。

田中被告は「これまで自分自身や家族に対してこれほどまでに深く考えたことはありませんでした」と語り「薬物をやめることを浅はかに甘く考えていた」と反省も口に。「これから自分自身にしっかり向き合っていきたいと思います」と決意を述べた。

質問を受けた自身の弁護人からは「もう付き合いも長く、弁護士と依頼者という関係も超えていると考えています。聖、やれんのか?」と声をかけられ「やれます」と強く宣言する場面もあった。

また、検察側からは「他県から余罪があるという連絡を受けている」という意見も出た。このため次回予定していた12月の公判は取り消しとなり、年明けに再び余罪の有無も含めて調べを進め、裁判を続けていく。

起訴状などによると田中被告は6月28日ごろ、千葉県柏市の自宅で覚醒剤少量をガラスパイプで加熱し気化させて吸引、翌29日にJR柏駅付近で覚醒剤を所持した疑いで現行犯逮捕された。また、被告は逮捕前の6月20日に、覚醒剤取締法違反(使用、所持)などの罪で名古屋地裁から懲役1年8月、執行猶予3年の判決を受けていた。