米俳優アレック・ボールドウィン(64)が、昨年米ニューメキシコ州で新作映画の撮影中に起きた銃の誤射事件で撮影監督が死亡したことに関し、過失致死罪で起訴されることが決まった。

検察当局が、ボールドウィンと武器担当責任者のハンナ・グティエレスリードさんを2件の過失致死罪で訴追する方針を発表。裁判で有罪が確定すれば、最高で禁錮18カ月と5000ドルの罰金が科せられる可能性があるという。一方で、銃器が関与していることから、5年に量刑が加重される可能性もあると米メディアは伝えている。

ボールドウィンは、映画「ラスト」のリハーサル中に安全を意味する「コールドガン」だと告げられて手渡された小道具の銃を誤射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンスさんが亡くなった。その後の捜査で銃には実弾が装てんされていたことが明らかになったが、意図的に銃弾が装填された証拠は見つかっておらず、事故だったと結論付けている。また、ボールドウィンに銃を手渡した助監督は、司法取引に応じ、武器を使用した過失を認め、執行猶予付き禁錮刑と6カ月の保護観察処分を言い渡される見通しだという。

ボールドウィンの代理人は「引き金は引いていない」と一貫して無実を主張しており「実弾が装填されていると信じる理由はない。悲劇的な死をゆがめ、司法のひどい失態」とコメントし、勝つために法廷で全面的に争う意向を示した。(ロサンゼルス=千歳香奈子)