福山雅治(54)が、4月期TBS系日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」(日曜午後9時)で主演を務めることが18日、分かった。公私ともに親交が深く、10年のNHK大河「龍馬伝」以来の共演となる大泉洋(49)と”無敵のバディ”を組み、難事件を解決していく。

昨年の「NHK紅白歌合戦」では大泉が司会、福山が初の大トリを務めるなど、テレビでの共演は多いが、役者として共演するのは福山が主演の「龍馬伝」以来、約13年ぶりだ。

福山 前回は(龍馬伝で大泉が演じた近藤)長次郎さんとして自害されてしまったので、非常に悲しい別れをして。それ以来なので、僕は久しぶりに生きている大泉さんに会えてうれしかったです。僕はずっと悲しい気持ちで止まっていますので、また一緒にできてうれしいです。今回は死なないでくださいよ。

大泉 今回、あのくらいの早さで死んだらかなり厳しいですね(笑い)。今回はなんとかね、最後まで生き続けたいなって思います。

2人の掛け合いは笑いを誘う。そこには絶大な信頼関係がある。

福山 (龍馬伝とは)役柄が全然違うので、全く新しい関係だなって感じています。ただ今回、大泉洋という人の根底に流れているかっこいい部分と、悪い部分、”悪かっこいい”大泉さんがそこにいると思います。僕はそれをすごく楽しみながらやっています。

大泉 13年ぶりですか。正直、ほぼほぼ気持ちは初共演に近いですよね。実際大河の時に、そんなに絡みは多くなかったんですよ。今回はバディというね、ほぼほぼ一緒にいる役なので、初共演に近い気持ちですね。「龍馬伝」以降、一緒にご飯食べに行ったり仲良くしてくださっていたので、改めてしっかりお仕事するっていうのは不思議な感覚です。

大泉はこれまで、番組などで福山のモノマネを披露してきた。仲がいいからこそ、福山のエピソードを求められることも多かったという。

大泉 今まで僕は、「福山さんのお話をする人」っていう人になっていましたからね(笑い)。「福山さんの面白い話ありませんか?」って聞かれすぎて、「いやもうないです」って。で、福山さんからは「洋ちゃん、そろそろ新作を作らなきゃいけないね」って、よく分からないプレッシャーがあって(笑い)。もうこの際、一緒に仕事した方がいいんじゃないですかっていうところから始まって、その夢がかなってうれしいですね。すてきなドラマを作るというのはもちろん大事なんですけど、私としては、福山さんの新作をどうやって作れるかということにも重きを置いて撮影を進めていきたいです。

ドラマは全盲の人たらしFBI捜査官と、犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事が、凸凹バディを組んで難事件に挑んでいく、痛快バディドラマ。福山は、アメリカから期間限定で交換研修生として来日したFBI特別捜査官・皆実広見を演じる。過去の事件がきっかけで両目の視力を失っているが、鋭い分析力、嗅覚などで事件を終わらせる最後の切り札”ラストマン”とも呼ばれている。

福山 ドラマタイトルにある「ラストマン」という言葉のとおり、事件を解決に導く人間。そしてどんどん人を巻き込んで、難事件を解決していく。自分が足りない物に対しては素直に人にお願いできて、できることは当然自分でやる。そういうフェアな精神を持った人だと思います。

大泉は皆実のアテンドを命じられた、警視庁人材交流企画室の室長・護道心太朗を演じる。代々、警察庁長官を務めてきた護道家の人間ながら、悪を絶対に許せず、キャリアではなく現場を選択する。

大泉 あまり人との付き合いが上手じゃないというか。単独で、時にはいきすぎた捜査をしてしまう一匹おおかみ的な刑事です。異常に悪を憎んでいると言いますか、そういうところがある刑事でありまして。護道家という代々、警察庁長官になっていくような家の人間でありながら、その道は進まず、現場にこだわっている。世界最強の男じゃないでしょうか、今ちょっとうそつきました(笑い)。

役者としての共演は13年ぶりだが、その間福山は19年の「集団左遷!」、大泉も19年の「ノーサイド・ゲーム」と、ともに日曜劇場で主演を務めるなど、多くの場数を踏んできた。

福山 僕にとっては結構チャレンジングな役ですけど、大泉さんには思い切りいろんな事を試してぶつけられる。そしてぶつけた物を全部受け止めて、いろんな物を投げても投げ返してくれて、新しい物を逆に教えてくれるんだろうなっていう期待感と信頼は最初からありますね。

大泉 福山さんの役は、誰にとってもチャレンジングな役ですよね。難しい役ではあるけども、みなさんがイメージする福山さんの要素を持った、かっこいい人です。その横にいられるのは楽しみではありますよね。ザ・福山さんっていう役の横で、よりそれを面白くできるような何か絡みがあるといいなと思って、演じています。福山さんは劇中で”かわいかっこいい”んじゃないんですか? 人たらしなので、かわいさがあるんですよね。ただ、かっこいいのは、どうしようもないからね。あまりかっこ悪くならないから(笑い)。

脚本は19年の日曜劇場「グランメゾン東京」、22年の「マイファミリー」などを担当した、黒岩勉氏が務める。1話完結の完全オリジナルミステリーとなる。

福山 さまざまな社会問題を、1話1話取り扱っています。リアルタイムの社会問題に対して、いかにしっかり斬っていくか。全盲という1つの役の設定を置くことによって、平等とは何かというのを探っていくことが今回のラストマンの根底に流れるテーマだと思うんです。等しく誰もが生きていける社会とはどういう社会なんだっていうのを、いろんな断面を見せていく。とにかく面白くて、いいドラマなのは間違いないです。

最強のバディが、4月からの日曜を盛り上げる。

◆福山雅治(ふくやま・まさはる)1969年(昭44)2月6日、長崎県生まれ。88年映画「ほんの5g」で俳優デビュー。93年ドラマ「ひとつ屋根の下」でブレーク。他「美女か野獣」「ガリレオ」やNHK大河ドラマ「龍馬伝」など代表作多数。シンガー・ソングライターとしては90年「追憶の雨の中」でデビュー。「HELLO」「桜坂」など大ヒット曲を連発。181センチ。血液型O。

◆大泉洋(おおいずみ・よう) 1973年(昭48)4月3日、北海道生まれ。96年から北海道で放送された深夜番組「水曜どうでしょう」で一躍ブレーク。俳優としては、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞受賞作「探偵はBARにいる」や「清須会議」「青天の霹靂(へきれき)」など話題作に出演。「NHK紅白歌合戦」の司会を3年連続で務めるなど、司会者としての評価も高い。178センチ。血液型B。