テレビ朝日系で22日放送のWBC決勝「日本-アメリカ」平均世帯視聴率が、関東地区は午前8時25分~午後0時8分の枠で42・4%(平均個人全体24・3%)、関西地区でも午前7時~午後0時45分の枠で35・0%だったことが23日、ビデオリサーチの調べで分かった。瞬間最高は午前11時43分、大谷翔平投手(28=エンゼルス)が同僚のマイク・トラウト内野手を三振に打ち取り、世界一に輝いた直後の46・0%。TBS系での午後7時から再放送も22・2%を記録した。日本戦全7試合の中継では、全国で推計9446・2万人(同社調べ)が視聴した侍ジャパンの快挙から一夜明け、芸能界も祝福に沸いた。

   ◇   ◇   ◇

【解説】 WBCでは、テレビの媒体力を再認識させられた。決勝戦は午前8時台のスタートにもかかわらず、世帯視聴率が42・4%(関東地区)個人全体視聴率は24・3%をマーク。ゴールデン帯ならば、イタリア戦の48・0%を超えて50%台は確実だった。

ビデオリサーチはこの日、日本戦全7試合の生中継をリアルタイムで視聴した人は日本全国で推計9446・2万人、一番多くの人が視聴した試合は10日の韓国戦で推計6234・3万人だと発表した。1分以上見た人数ではあるが、日本国中がテレビに注目していたことがうかがえる。メキシコ戦の個人視聴率のシェアは82・3%でアメリカ戦は89・2%。テレビの見ていた人のほとんどが、WBCを見ていたことになる。

一般的に、サッカーと比べると野球ファンの方が年齢層は高いと言われる。それでも、同社の資料によると、1次ラウンドでのツイート数は韓国戦の37万回が最高だったが、決勝はその4倍以上の143万件超に。構成割合をみると、男性は20代の33・3%、女性も20代の22・0%が最多だった。若い世代の注目を集めたことも今回の高視聴率につながったとみられる。

さらに驚くのはTBSが緊急編成した再放送だ。メキシコ戦の世帯視聴率は19・8%、決勝は22・2%。前4週平均と比較するとそれぞれ5・5倍、6倍となり、コンテンツ力のすごさが分かる。

もっとも、今回のWBCの放送権料は20億円を超えるとささやかれる。放送した局は黒字ではないとみられるが、若者のテレビ離れが叫ばれる中、大きな起爆剤になったことには違いない。【竹村章】

【写真特集】WBC世界一に輝いた侍ジャパンが帰国 成田空港には大勢のファンが駆けつける