是枝裕和監督(60)が7日、NHK「ニュースLIVE!ゆう5時」(月~木曜午後5時)に出演。人生の分岐点を語った。

最新作の映画「怪物」は、カンヌ映画祭で坂元裕二氏(56)が脚本賞を受賞。若手時代について「寝られないとか家に帰れないも大変だったけど、頭でっかちで映画だけ見て大学を過ごして、いきなり現場に放り込まれた時に思った以上に使えなかった」。

手を差し伸べてくれた先輩がいたといい「こっそり僕を呼んでくれて企画書を書いてくれと。渡すと『やっぱりお前書く力あるな』と褒めてくれた」と振り返った。

28歳で福祉行政のゆがみに焦点を当てた番組を担当。「自分が考えているより世の中複雑だなと。それで番組構成をゼロからやり直して、自殺をしてしまった2人の人間の話に変えた」。その結果、ギャラクシー賞優秀賞を受賞し「作品作りで負うべき責任とかいろいろなことを学ばせてもらいました。この仕事って面白いと初めて思いました」と語った。

当時の体験が現在にも生きていると明かし「世の中って白と黒で出来ているんじゃない。グレーのグラデーションで出来ている。その発見が大きかった。自分の仲に訪れたある種の変革だった」と話した。