元韓国グループ超新星の俳優ユン・ソンモ(36)が、21日公開の映画「ランサム」(室賀厚監督)で日本映画に初主演する。暗黒街のボスの令嬢誘拐事件に関わり、裏切り、ハードな銃撃アクションを展開する。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ「全て日本語で演技をしたのは、この作品が初めて、難しかった」と話した。
【小谷野俊哉】
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ソンモは「撮影は昨年の4月。室賀監督に相談して、撮影しながらキャラクターを作っていきました。全部、日本語で演技をしたのは舞台、映画、ドラマ含めて初めてです」と振り返った。
暗黒街のボス、金山省吾役は“顔面凶器”の異名を持つ小沢仁志(61)。
「撮影しながら、いろいろ話をしたんですけど、めちゃくちゃ優しくしてくれて。怒ったらどうしようと思っていたんですけど、全然違って本当に優しく言ってくれたり、話を聞いてくれました」
映画「SCORE」「復讐したい」の室賀厚監督(59)がメガホンを取った。
「最高ですね。僕が会った監督の中で、正直、最高クラスの人でした。めっちゃ熱いし、日本は暑いんですけど、それを超えるくらい熱さが見えた。僕と会ったこともないのに『やりましょうよ』という一言の約束を信じて、コロナ禍で2年間待っててくれたところもありがたい。日本に住んでいる韓国人の俳優を使うとか、日本人の設定にするプランもあったと思うんです。だけど、『待つよ』とだけ言って、本当に2年間待っててくれた。僕は韓国人で、直接演技を見ていない。日本語のせりふを聞いてないし、僕の動きを見てないのに、信じてくれた。熱い人なんですね」
今年に入ってから、日本語ミュージカル「リフレインする君の声~encore2023~」、日本テレビ系「Dr.チョコレート」、BSテレ東「婚活食堂」に出演した。
「演技するのは、もちろん日本語の方が難しいです。自分のせりふだけじゃなく、みんなのせりふも覚えないとダメなんですけど、正直、それは難しい。どんな状況で、相手がどんな表情で言ってるかを考えて、演技しているんです。韓国語ならアドリブでも、せりふが出るじゃないですか。やっぱり日本語の演技は難しい。でも、日本で俳優の活動するのが面白い。今、日本の活動に集中しています」
日本語で演技をすることで、新たな難しさ、そして発見があった。
「今年の1月に『リフレインする君の声』というミュージカルに出演させていただきました。日本語でミュージカルをするのは、台本に書いてある言葉が、僕が使っているファンから聞いてる日本語とは違う言葉なので、難しかったです。ドラマとは別物でした。ミュージカルを練習する時間も短かったので、韓国を出国する前に電話して『もし、僕、これやめたら、いくら弁償すればいい』って聞きました。そこまで追い込まれました」
韓国のアイドルグループ超新星のメンバーから19年1月にソロに。歌だけでなく、日本での俳優活動に力を入れてきた。
「僕自身が一番、意外に感じてますね。超新星以外にも、こんなにも僕が活動ができることがあったんだと。超新星の頃にも、人気があったからドラマ出演のオファーはたくさんあったんです。だけど、今になって主人公で映画やドラマができるのは、今まで見守ってくれたファンの皆さんに本当に感謝しないといけない。テレビで『Dr.チョコレート』が放送されたら、すぐSNSに1000人のファンが、1人10個以上の書き込み、1万人分のツイートをしてくれる。僕のことを知らない人も『誰?』となって、見てくれる人が増えていたんじゃないかな」
映画「ランサム」では裏切り、裏切られ、そしてハードな銃撃アクション。日本語で、感情の細かい動きを表現した。
「今までプロモーションビデオみたいな映画は出てきたけど、日本語映画の主演は初めて。そこは難しかったですね。時間も限られていたし、せりふも長いものが多かったしね。クライマックスで誘拐犯人グループの寺さん(寺中寿之=45)と絡んで、悲しい表情を出すシーンがあったんです。心が痛いなと思わせるくらいの表情を出したいんだけど、どうしようと本当に迷ってました。カメリハを1回やって、本番で倒れている寺さんの顔を見たら、赤に黒い丸模様のテントウ虫が歩いていてかわいくて(笑い)。まずいと思ったんですけど、なんとか乗り越えられました。だけど、あそこは本当に難しかったです。アクションシーンは逆に一番しやすかった。慣れてることもあったしね。銃は初めて持ったんですけど、監督さんに自由な動きでやってくださいって言われて、やってみたら、それいいよって、すぐにOKでした」
音楽活動と俳優。
「正直、楽しさが違うと思うんですけど、自分にとっては好きなのは演技することです。ただ、今まで信じてついて来てくれたファンの皆さんに楽しんでもらうためにも、歌っていきたいと思っています」
韓国南端の海に面した故郷・釜山に住む。3分の1くらいは、日本に来ている。
「釜山、大好きなんですよ。ソウルとかは日本やアメリカ、タイで人気がある食べ物を売ったりする。だけど、釜山は地元のおいしい食べ物があるから、ずっと人気があるお店が多いですね」
アイドルのイメージが強いが、先月36歳になった。
「デビューして16年くらい活動してて、いろいろ経験したことがたくさんある。その間にやっぱり軍隊の2年と、その前後の期間。そして超新星を離れて、なかなかうまくいけなかったところにコロナ禍が来た。ほぼ5、6年くらいは活動ができなかった感じですね。もったいないなとも思ったけど、36歳になっても遅くないと思うんです。今年みたく、俳優としても呼んでくれるところがあったら、頑張ってどこにでも行きたいなと思っています」
日本と韓国を行き来しながらの芸能活動。身近な目標がある。
「やっぱりファンの皆さんと釜山ツアーをやってみたいなと思っています。コロナの前に準備していたんですけど、なくなっちゃいました。釜山も、この夏からいろいろなフェスティバルや食堂が復活しています。夏がすぎたら、ファンたちとの時間を釜山で作りたい。待ってくれているファンの思いを実現させたい。それが今、本当にやってみたいことです」
韓国発のアイドルが日韓のスターになった。
◆ユン・ソンモ 1987年6月15日、韓国・釜山生まれ。07年、超新星のメンバーとして韓国でデビュー。09年、日本でデビュー。14年映画「愛の言葉」、15年映画「僕たちの日記」に主演。16年に兵役で活動を一時休止、18年4月復帰。同8月に超新星がSUPERNOVAに改称。19年1月からソロに。今年1月に全編日本語ミュージカル「リフレインする君の声~encore2023~」。同4月期に日本テレビ系「Dr.チョコレート」、BSテレ東「婚活食堂」。特技はキックボクシング、剣道。左利き。180センチ、65キロ。血液型O。



