昨年大ヒットした舞台「千と千尋の神隠し」が24年4月に世界進出し、千尋役を演じた橋本環奈(24)、上白石萌音(25)が英ロンドン公演の舞台に立つことが2日、決まった。それぞれ「ロンドンで千尋を演じるなんて」「すごく名誉なこと」と感激している。

宮崎駿監督の大ヒット映画を英演出家ジョン・ケアード氏が舞台化した本作は、昨年2月に東京・帝国劇場で開幕して以降、大阪、福岡、北海道、名古屋で計102回の長期公演を達成。やおよろずの神が行き交う巨大な湯屋を劇場に出現させたスケールの大きい作品性は、上演者一同が菊田一夫演劇賞に輝くなど高い評価を集めた。

ロンドン公演は24年4月から7月まで、ウエストエンド最大級の劇場、ロンドン・コロシアム(客席数約2300)で行われる。東宝によると、日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模。現地に上演権をライセンスする形で東宝演劇が海外進出した例はあるが、日本上演時のプロダクションがそのまま海外で3カ月にわたり上演することは、創立90年以上の歴史でも初めてという。

国内での全国ツアーも決定。すでに発表されている24年3月の帝国劇場を皮切りに、名古屋・御園座(同4月)、福岡・博多座(同4~5月)、大阪・梅田芸術劇場メインホール(同5~6月)、北海道・札幌文化芸術劇場(同6月)でそれぞれ上演される。

キャストら関係者のコメントは以下の通り。

◆千尋役/橋本環奈

「ロンドンで千尋を演じるなんて、矜持(きょうじ)をもって臨みたいと思います。今までは、日本人の方に日本語の言葉で届けてきたわけですけれど、ロンドンではそれをどう伝えるのか…、もっと伝わりやすくしなくてはいけないのか…、私たちの表現も変わりそうです。楽しみでありつつ、今から稽古の心配をしています(笑)」。

◆千尋役/上白石萌音

「日本語で演じられる、日本でやった形そのままに持っていけることはすごく名誉なことで、日本のお客さまに楽しんでいただけたものが、ロンドンの方にどう届くのか楽しみですし、とても幸せで光栄なことだと思っております。国内の全国ツアーと共に、4月から7月まで、ロンドン・ウェストエンドで、二カ国同時上演をいたします。ぜひ千尋に会いに来てください! 劇場でお待ちしています!」。

◆スタジオジブリ/鈴木敏夫プロデューサー

「ジョン・ケアードさんと初めて会った日、ぼくと宮さん(宮崎駿)は、この人は信頼できる-、それがこの企画のスタートでした。ぼくらはジョンを信頼して、すべてをお任せしました。初演において高い評価をいただいたのも、ジョンをはじめ、キャスト、関係者の皆さんのご努力あってのもの。深く敬意を表します。そしてそれが国内での再演、更にジョンのお膝元、ロンドンでの公演へとつながったのだと思います。「千尋」が舞台の本場でどのように評価されるのか、非常に楽しみです」。

◆翻案・演出/ジョン・ケアード氏

「日本オリジナルの舞台版『千と千尋の神隠し』を来年ロンドン・コロシアムにて披露することを誇らしくうれしく思います。2022年の創作過程において素晴らしい時間を過ごした我々ですが、幸せなことに今度はイギリスの観客を宮崎駿のマジカルな世界へ神隠しするのです。神とカエル、竜と魔法使い、巨大な赤ん坊と弾む頭、クモの腕を持つ釜たき男、顔を持たない寂しがり、そして勇気・アイデンティティー・愛を勇ましく探求する少女の世界へと」。

◆上演劇場/ロンドン・コロシアム

「ロンドン・コロシアムは舞台『千と千尋の神隠し』のヨーロッパ初演の拠点となり、他にはない素晴らしい文化的イベントを開催できることをうれしく思います。国際的なプロデューサーとして名高い東宝とPWプロダクションズと共に、来春、才能あふれる日本ツアーのオリジナルカンパニーをロンドンに迎えることを楽しみしています」。

◆共同製作するPWプロダクションズ/イアン・ギリー氏

「2022年に東宝製作の舞台『千と千尋の神隠し』を観に訪日した時、私たちはその出来栄えに圧倒され、世界のより多くの観客に届けなくてはならないと確信しました。私たちは、東宝と、類いまれなるクリエーティブチームと共に、この素晴らしい作品に取り組めることにとてもワクワクしています」。

◆東宝株式会社/松岡宏泰社長

「舞台『千と千尋の神隠し』が、いよいよロンドン・ウェストエンドに上陸します。東宝は1970年代から、オリジナルミュージカルの海外でのライセンス上演を行っていますが、日本生まれのカンパニーが海を越えて世界へと赴き、しかも3カ月の長きにわたり、日本語で演劇をお届けすることは、90年以上に及ぶ東宝の歴史で初めての挑戦ですし、日本の演劇界においてもほとんど例のない出来事ではないでしょうか。宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサー、スタジオジブリの皆さんが生みだした千尋が、世界中の劇場でさらに愛されることを願ってやみません」。

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