日本テレビ系「世界まる見え!テレビ特捜部」(月曜午後8時)に出演する、マシュー・チョジック(42)が初めて監督した短編映画「トシエ・ザ・ニヒリスト」が、10日から東京・代官山シアターギルドで上演される。このたび、公開記念のトークイベントが都内で行われた。
「トシエ-」は、仮想通貨のオフィスで働く主人公トシエ(比嘉梨乃=31)の日常を描く。彼氏(矢部太郎=46)が刑務所から出所してきたが、トシエの会社を強盗する手引きを依頼される。それでなければ「前科があって、無職でも入居できる部屋」を探してこいとむちゃな要求をされる。トシエは橋から落ちる事故で、ベトナム戦争の英雄の息子アン・ドゥン(マシュー)に救われ、なぜか日本からハワイまで泳いでいくことになる。
マシューは出演者を前にして「こんなメチャクチャな映画に、よく出てくれました」と礼の言葉を口にした。比嘉は「映画はもちろんですけど、全編通してマシューさんの愛くるしさがあふれている。マシューワールド全開です」と振り返った。
トシエがハワイまで泳いでいくシーンは、12月に撮影されたという。比嘉は「寒かったけど、頑張って千葉の海で演じました。そうしたら撮り直しで。沖縄だったんですけど、やっぱり寒かった(笑い)。でも、監督も一緒に海に入ってくれたんで、一緒に凍えてました」と笑った。
矢部は「主人公の彼氏が僕でいいのかと、誘われた時に何度もマシューに確認しました。映画で着ているのは私物の革ジャンなんですけど、買ってから着たことがなかったので良かった(笑い)」。
矢部と刑務所の中で知り合った友人役の米本学仁(44)は「マシューが気持ちいい波をくれていた。矢部さんと金魚のエサを食べても『それ、いいね』と言ってくれた。あ、僕たちは“特殊な訓練”を受けていますから(笑い)。マシューを感じる映画だと思う」と話した。
主人公が務める会社の“双子の受付嬢”を1人で演じた日高七海(32)は「CGとかは使わずに衣装を替えて演じました。沈黙をセリフで埋めないのが、すごくいいなと思いました」と振り返った。
主人公の遅刻に激怒する上司役を演じた、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞受賞作家の古川日出男氏(57)は「NHKラジオの“文学と英語に関する番組”で一緒になって、マシューに呼ばれた。本業は小説を書いています。映画は初めてです。アドリブのセリフはカットされてしまいました」と話した。
マシューは「『トシエ・ザ・ニヒリスト』は、ほぼ予算ゼロの作品でした。完璧じゃないものも楽しいなと思いました」。続編やスピンオフについては「仮想通貨の会社を襲った矢部さんたちを描くのもいいし、ハワイに行ったトシエのその後も見てみたい。僕が演じたアン・ドゥンは死にましたが、必ず天国から戻ってきます。今は、次作で長編映画を撮る準備をしています」と話した。
作品全編に“皮肉”がちりばめられている。マシューは「日本語の『皮肉』というのと少し違う。アイロニーということなんだけどね。作品の中で一番気に入ってる皮肉は、主人公の会社が東欧の仮想通貨を売っているんだけど、ヨーロッパのとしか言わないところ」と話した。
◆マシュー・チョジック 1980年12月1日、米国コネティカット州生まれ。ハーバード大で修士、バーミンガム大で博士の学位を取得。07年に来日。村上春樹作品や日本文化の研究を続けながら、大学講師を務める。ニューヨークに立ち上げた出版社「Awai Books」の経営者兼編集者として日英両言語による執筆や翻訳を手がける。12年から日本テレビ系「世界まる見え!テレビ特捜部」ではアメリカ担当のエージェントを務める。170センチ。血液型A。



