上方落語家の4代目桂春団治(75)が28日、大阪市内で「春団治落語会」(9月21、22日=天満天神繁昌亭)の取材会に出席した。

公演では古典落語の大ネタ「芝浜」を、作家の小佐田定雄氏が春団治のために改作した「夢の革財布」をネタ下ろしする。春団治は「『芝浜』の風情はいらんとお願いしたら、小佐田先生が完全な夫婦愛にしてくれた。喜び勇んでネタ固めをしているところです」と意気込んだ。

18年に4代目を襲名して、はや5年。「私も軽いので簡単に引き受けましたけど、初代、2代目のような爆笑王でもないし、3代目のような細やかな芸はできない」と話しながらも、「宵越しの金は持たないという芸人の見本みたいな暮らしをして、ずいぶん遊ばせてもらってきた。これだけは初代に負けない」とニヤリ。破天荒な生き方で演歌「浪花恋しぐれ」のモデルにもなった初代春団治の生きざまと重ね合わせた。

そんな春団治が頭を悩ませているのが大名跡「春団治」の継承だ。「3代目から『名前を残せ』と言われ、簡単な気持ちで預かった。ええやつおらんかと探しているが、なかなかおらんもんで」。名前が大きすぎるがゆえに「一門の名前やなくて、大阪の宝と言うてくれる人もおる。軽はずみに指名もできん。3年以内にと思っていたけど、帯に短し、たすきに長し」と嘆いた。

一門や弟子に限らず、笑福亭など他の落語家一門からも探しており、候補者もいるというが、「打診もしてない。打診したいけど断られてもかっこ悪いし」と悩みは尽きない。

2代目、3代目も、後継者に名前を譲り、「桂笑翁(しょうおう)」の名で隠居の身になりたいと願っていたが、かなわなかったという。春団治は「生きてる間に伝えたいし、義務やと思っている。私も早く5代目に譲って、笑翁を名乗りたい」と明かした。

それだけに、名前のことを考えると「夜も寝られへん」と話し、「長生きせなあかん」と破天荒な生活も改め、4年前からは断酒を実行。毎日5000歩のウオーキングも行っている。

27日には落語家の林家木久扇が「座布団も芸も新しい人にバトンタッチいたします」と、来年3月をもって日本テレビ系演芸番組「笑点」の大喜利レギュラーから卒業すると発表した。春団治は「木久扇さんはもうかって豊かになってるのとちゃいまっか?余裕がある。息子さんもいてるし、木久扇さんがうらやましい限り。こっちはそれどころやない。譲りたいのは使命感」と苦笑していた。