黒柳徹子(90)が3日、1981年(昭56)の自伝的代表作「窓ぎわのトットちゃん」の42年ぶりの続編として同日、刊行された「続 窓ぎわのトットちゃん」(講談社)の発売記念会見を都内で開いた。黒柳は「『続-』を読んで驚いたのは、私は何て変わらない人間なんだろう」と、著書につづった小学生1年生のころと90歳になった今を比較して、根本的には何も変わっていないと笑いながら語った。

「窓ぎわのトットちゃん」は81年3月に刊行され、黒柳が子ども時代に出会った、小林宗作先生とトモエ学園での思い出をいきいきと描き、ベストセラーとなった。現在までの累計発行部数は日本国内で800万部、全世界で2500万部を突破。12月8日には「窓ぎわのトットちゃん」を初映像化するアニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」(八鍬新之介監督)の公開を控える。「続 窓ぎわのトットちゃん」は、トットが青森に疎開してから、音楽学校を卒業してNHKの専属女優になり、ニューヨークに留学するまでの日々をつづった。

黒柳は「1番、書きたかったことは、小学校の時に退学になって、入ったトモエ学園の校長と、どういう教育だったか? を伝えたかった。書いておきたいというのがあった。どんな風に育ったか。(トモエ学園は)校舎が電車だった。(子どもたちは)電車の学校に行きたいだろうな…と最初は書いたわけです」と振り返った。

そして「1年生の時は、あんなにダメだった私…学校に行けば退学になるし、何かにつけて問題児だった私が(年齢を重ねて)変わっているかと思ったら、書いているうちに何も変わっていないと思った」と言い、笑った。そして「まぁ、芸能界で70年ですか? 仕事ができたから、まぁいいかと自分を納得させた」と言い、会場を笑わせた。

黒柳徹子は会見の最後で、1937年(昭12)にトモエ学園を創立した校長の小林宗作さんに感謝した。小林さんは、大正時代に留学した欧州で、スイスの音楽家エミール・ジャック=ダルクローズが提唱した音に合わせて体を動かすなどの音楽教育法「リトミック」を学び、日本に紹介した先駆者。幼児教育の権威だ。黒柳は「やはり、根底にあるのは『1』の方に書いた、トモエ学園の校長先生の『君は本当は、いい子なんだよ』と、私に言い続けてくださった先生の教え。そこも読んでいただけたら、うれしい」と繰り返した。