大みそかの「第74回NHK紅白歌合戦」(午後7時20分)出場歌手が今日13日、発表される。今年は44年ぶりにSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)所属タレントの「出場者ゼロ」が濃厚で、大きな転換期になる可能性もある。白組を中心にニューフェースに注目が集まる一方、どこまで視聴者を獲得できるかは未知数。大みそかのエンターテインメントも多様化しそうだ。

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SMILE-UP.創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題を受け、NHKの「所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わない」とする方針は変わらなかった。テレビ局関係者によると、所属タレントの紅白出場をめぐっては、9月に同社が性加害問題を認めて以降、数組の出場も含めてさまざまな案が浮上していた。具体的な被害者補償が進展、公表されれば可能性はあったが、各所で紅白出場関連の交渉や調整が進むタイミングには間に合わなかった。

一方で、韓国の男性13人組グループSEVENTEENや、ロックバンドMrs. GREEN APPLE、TWICEのグループ内ユニットMISAMOら、若者を中心に人気のアーティストたちが続々と初出場することも明らかになった。昨年はアニメ映画「ONE PIECE FILM RED」のキャラクター「ウタ」として「新時代」を歌ったAdoも初出場する。新しい学校のリーダーズ、10-FEETらも初出場が有力だ。

昨年6組出場した旧ジャニーズのタレントが姿を消すとなると、特に白組の出場者構成が注目される。K-POPグループが増加したり、若手のソロアーティストが抜てきされたりする可能性もあり、様変わりする。白組内で穴埋めするだけではなく、特別企画枠の組数や放送尺を増やす案も浮上しているという。

SMILE-UP.所属の人気グループ、Snow Manは11日、大みそかに公式YouTubeチャンネルでライブを生配信すると発表した。時間未定としているが、紅白と“裏かぶり”するとなれば視聴率に響くこともあり得る。

今後の被害者補償の進展や世間の反応などの動向によっては、一転、旧ジャニーズタレントにオファーが舞い込みサプライズ出演することも考えられる。同社は今月から被害者補償をスタートすると表明しており、NHKも注視している。レコード会社関係者は「今年は異常事態。旧ジャニーズ事務所に対するNHKの出方も読み切れず、我々の出演交渉も一筋縄ではいかない」と話す。大みそかまで予断を許さない展開になりそうだ。