ダンサーで表現者のアオイヤマダ(23)が9日、東京・TOHOシネマズ渋谷で行われた映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督、22日公開)のイベントに、トイレをイメージした衣装で登場。作品を鑑賞した渋谷区の小学生・中学生と一緒にダンスを踊った。

今回のイベントは、映画の製作のきっかけとなった東京・渋谷区で20年から行われている、世界的な16人の建築家やクリエイターが区内17カ所の公共トイレを新たなデザインで改修するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」が、TOHOシネマズと東宝とコラボ。2社が実施する、未来ある子供たちに向けた映画体験による「思考形成」プログラム「TOHO CINEMAS BOAT」の第1弾イベントとして行われた。

「PERFECT DAYS」の撮影は「THE TOKYO TOILET」のトイレのほか浅草、押上、隅田川周辺など全て東京で行い、カンヌ映画祭で男優賞を受賞した主演の役所広司(67)が、渋谷でトイレの清掃員として働く平山を演じた。そうした物語を踏まえ、イベントは公共トイレにおける最高のメンテナンス=きれいに使うことを若者たちに意識付けしてもらうことを目的に、渋谷区の小・中学生を対象に開催。第1部は「トイレ清掃を体験する」と題し、劇中に登場する公共トイレで清掃員指導のもと実際に清掃を行った。第2部「トイレ清掃員が主人公の映画をみんなでみる」では、作品をスクリーンで鑑賞する「映画体験」を実施した。

そして第3部は「みんなで話し合う」と題し、柄本時生(34)が」演じた平山の同僚の清掃員タカシのガールフレンドのアヤを演じたアオイヤマダが、トイレをイメージした特注のドレスを着用して登壇。作中の印象的なシーンに使用された「feeling good」に乗せてオリジナルダンスを初披露。子どもたちと一緒に自作のダンス「トイレトントン音頭」で体を動かした。

アオイヤマダは、客席の小中学生に「皆さん、朝からお疲れさまでした! トイレ掃除してくださって、ありがとうございます。みんな、疲れたんじゃないかな? 私、お伝えした、トイレトントン音頭、覚えてます?」と呼びかけて、一緒に踊った。ドレスの前面には便器の形をしたギミックがついており、フタを開閉しつつ、客席の子どもたちにスポンジを渡し、トイレ掃除のパフォーマンスを展開した。その中、やんちゃな少年達がスポンジを乱暴に振るって磨くパフォーマンスをすると「やさしく、お願いします!!」とSOS? を出す一幕もあった。

アオイヤマダは、イベントの最後に「トイレって、自分にとって当たり前のように使って、あるものだと思ったけれど、みんなとお掃除して、お掃除してくれる人がいるんだと思った。自分で使ったら自分で掃除しよう、ということを心に留めておこうと思いました」と感想を語った。

◆「PERFECT DAYS」 東京で22年5月に開かれた会見で製作が発表され、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督(78)が製作にあたって11年ぶりに来日。シナリオハンティングなどを行い、プロデュースした高崎卓馬氏(54)と共同で自ら脚本も担当した。製作国は日本で、「ユニクロ」を中心とした企業グループファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長の次男・柳井康治取締役がプロデューサーを務めた。同氏が個人プロジェクトとして21年に立ち上げた、有限会社MASTER MINDが企画発案、出資、製作、プロデュースを手がけた。同氏にとっても映画初プロデュースとなった作品で、いきなりカンヌ映画祭男優賞を獲得。また共同脚本・高崎氏は電通グループグロースオフィサーで、JR東日本「行くぜ、東北」などを手がけたクリエーティブディレクター。一方で小説家の顔も持ち、映画、ドラマの脚本も多数、手がけてきた。映画の脚本は2009年(平21)の岡田将生の主演映画「ホノカアボーイ」(真田敦監督)以来2作目。