来年10月13日の退団を発表した宝塚歌劇団の雪組トップ彩風咲奈が27日、大阪市内で会見した。スーツ、シャツ、靴まで白で統一した彩風は、緊張の面持ちからじょじょに笑顔を見せ、ファンへ、宝塚へ、雪組の仲間への感謝を繰り返した。

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-退団公演は「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」に

彩風 (新人公演でも主演した思い出の役のひとつだが)たまたまです(笑い)。(任期が)これぐらいかなと思っていたところに演目をいただいて。そもそも、2001年に、ベルばらを見て宝塚に入りたいと思った作品ですので、ぜひ、このフェルゼンで退団したいとあらためて思いました。

-宝塚とはどんな存在だったか

彩風 夢、ときめきでした。男役として、自分自身もトキメキを忘れないように。(次世代へは)次の新しい時代の宝塚を、私自身も本当に楽しみにしたい。

-今年は秋以降(劇団員急死などで)揺れたが、退団の決意が揺らいだことはあったか

彩風 自分自身が決めたことですので、それはないです。今回、大劇場公演作のセリフで「僕が僕の人生の主だから」という歌詞があって、その歌詞にも自分自身が奮い立たされたという面はあります。

-ここまで一番うれしかったことは

彩風 ありすぎて、1つには絞れないんですが、もう本当に一番幸せだなって思う瞬間は、雪組の上級生、組長さんから一番下の下級生までの、笑顔を見てる時が本当に幸せ。私は、宝塚も大好きですけど、やっぱり雪組がほんっとに大好きで、雪組の皆に、何かお返ししたいという思いでいっぱい。何げない、みんなとお稽古してる時とか、お客さまに拍手、笑顔をいただいた時とか。雪組のみんなと「今日も1日終わったね」ってする瞬間とか。そういう何げないものが、楽しい、うれしい瞬間かなって思います。

-下級生時代から抜てきが続き、雪組生え抜きでトップ就任。コロナ禍も乗り越えてきた。つらいとき、支えになったのは

彩風 どんな時も支えてくださる、手を差し伸べてくださる方がいらっしゃいました。その時々に、一緒に頑張ってくれる、一緒に乗り越えてくれる仲間が、本当に私の周りにたくさんいました。それが一番。

-公演計画の変更など、過渡期にある宝塚歌劇団に、今後望むことは

彩風 私たちは歌劇団に望むことというより、1回1回のことに頭がいっぱいですので、支えてくださるファンの皆さまに何がお届けでき、どれだけお返しできるのか、考えていくことで、頭がいっぱいです。

彩風は、来夏に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」東京宝塚劇場千秋楽をもって、退団する。