元自衛官で現代アーティストとしても活動する、タレントかざり(30)が来月2日から7日まで、東京・新宿眼科画廊で個展「記憶と情報の琥珀(こはく)たち」を開催する。

日大芸術学部デザイン学科を卒業して、2015年(平27)に陸上自衛隊に入隊。17年に退官してタレント活動を始め、YouTube「かざりぷろじぇくと」の「自衛隊体操」が631万回再生。“恐ろしく美しい元自衛官”のクリエーティブな素顔に迫ってみた。

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アクリル板に絵を描き、レジン(樹脂)、絵の具で彩った作品を前に「コンピューターグラフィックスで、絵の具でも、レジンでも描きます。ミクストメディアっていうもので、いろんな素材を組み合わせて作っています」と説明する。

日芸デザイン学科で書籍、ポスターのグラフィックデザインを学んだ。「小学校に入る前から絵を描くのが好きで、ずっとイラストレーターになりたいと思いました。高校も、三重県内にある唯一デザイン学科がある美術系の高校に通ってました。大学受験の時にデザインとか美術のことを学ぶのであれば、情報量が多い東京に行きたいなと思っていたので、日芸を受験しました」と振り返る。

「高校の時はアニメ、マンガ好き。イラストレーター、物を作るクリエーターになりたいなと思ってました。それで、日芸に進学したんですが、自衛隊がめちゃくちゃ好きになりまして。自衛隊の駐屯地とか基地とかへ遊びに行ってましたね。きっかけもアニメなんです。戦車と女の子が出てくる『ガールズ&パンツァー』っていうアニメにはまって、実際に日本にある戦車を見に行きたいなと思って陸上自衛隊の駐屯地に遊びに行ったことがきっかけです」

日芸卒業と同時に、15年に陸上自衛隊入隊。「自衛隊はいろいろな職種があるんですけど、私は通信科という職種だったので、モールス信号を打つ部署にいました」。手術して完治したが、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)もあって、17年に任期満了で退職。24歳だった。

「最初は就職活動してたんですけど、その最中に最初の芸能事務所にスカウトされました。大学生の頃からコスプレイヤーで、SNSに投稿していたのを見て声をかけられました。自分の好きなアニメキャラクター『攻殻機動隊』の草薙素子とか。そういった強い女性のキャラが好きだったんです。元自衛官ですって言ったら、面白がってくれました」と笑う。

YouTubeに3年前にアップした「自衛隊体操」がバズって631万回再生。「ラジオ体操よりきついので、やる前にはちゃんと準備運動した方がいいぐらいなんです」。昨年から防衛省広報アドバイザーを務める。「防衛省がSNSでの発信に力を入れているので、視聴者の人が喜ぶことをアドバイスしています。あとYouTubeの登録者が33万人以上いるんで、自衛隊の取材に行って動画をアップしています。戦闘機のF-15を紹介した時は473万再生を超えました。今度はブルーインパルスと同じ機体のT-4に乗って、ついに空を飛びます」と笑顔を見せる。

タレントとしても「自衛官役のドラマとか映画とかあるんだったら、ぜひ出てみたいですね」。中学では女優の足立梨花(31)と同じソフトテニス部。「梨花は、高校から東京に行っちゃって会ってないです。中学生の時から明るくてはつらつかわいい子でしたね。ホリプロスカウトキャラバンでグランプリに輝いたのを翌日のテレビで見てびっくりしたのを覚えています。久しぶりに会いたいですね」と話している。

◆かざり 1993年(平5)2月25日、三重県出身。日大芸術学部デザイン学科を卒業して、15年に陸上自衛隊に入隊。17年に退職。158センチ。血液型B。