杉咲花(25)が、「孤狼の血」シリーズで知られる作家柚月裕子氏の小説を映画化した「朽ちないサクラ」(原廣利監督、6月21日公開)に主演し、初めて警察官を演じることが2日、分かった。
捜査する立場にないながらも親友の変死事件の謎を独自調査し、真相と公安警察の存在に迫る、県警の広報職員を演じる。「帰ってきた あぶない刑事」(5月24日公開)も手がける原監督とタッグを組み、公安の闇に迫るノワール映画という新ジャンルに挑む。
杉咲演じる森口泉は、26歳の県警広報広聴課の職員だ。度重なるストーカー被害の末に、神社の長男に殺害された女子大生の被害届の受理を警察が先延ばしにし、慰安旅行に行っていたことが地元新聞に独占スクープされ、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたと疑う。「疑いは絶対に晴らすから」と言って立ち去り、身の潔白を証明しようとした千佳が1週間後に変死体で発見され、自責と後悔の念に突き動かされ、自らの手で犯人を捕まえると誓う役どころ。原作の発行部数は、続編の「月下のサクラ」と合わせて累計27万部を刊行する人気シリーズだ。
製作側は、親友を亡くして深い闇に真っ向から闘いを挑んでいく泉という難役を演じられるのは、内に秘める凜(りん)とした力強さを持つ杉咲しかいないと一択でオファーしたという。その思いを背に、杉咲は「この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。私はその出来事にぬくもりのまなざしを向けることはできないけれど、失敗に向き合い、責任を取ろうとする姿を見捨ててはいけないと思いました」と、役どころと物語を受け止めた思いを語った。
原作の舞台は架空の土地だったが、映画では愛知県平井市に設定し、23年3~4月に蒲郡市周辺でオールロケを行った。神社や川のシーンで咲き誇る桜は全て本物だ。杉咲は「“再生を見守る”という世の中のあるべき姿のひとつとして、この映画に関わる価値を感じ、緊張を抱きながら演じました」と撮影を振り返った。
自責と葛藤を繰り返しながら強さを手に入れ、成長を遂げ、世の不条理と巨大な闇に立ち向かう“事務職のお嬢ちゃん”泉を演じる、杉咲の繊細な演技こそ、作品の最大の見どころだ。杉咲は「いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです」と主演し、作品を公開する意義を訴えた。
原監督と柚月氏も、次の通りコメントを発表した。
原廣利監督 撮影したのは去年の春に差しかかる頃でした。タイトルにある通り「サクラ」がキーワードになってきます。「正義」とは一体何か? それぞれの「正義」が交錯する時に、サクラを魅せることで物語の骨格を表現したい。スタッフ・キャストとともに考え、アイデアを出し合い、全力で撮影していきました。森口泉を演じる杉咲花さんの真っすぐ真相を見つめる眼は、僕自身何度も鳥肌が止まりませんでした。
柚月裕子氏 この作品は、世の中の理不尽や不条理なことに、懸命に立ち向かっていく人間を書きたくて出来上がったものです。主人公の森口泉は、親友の死をきっかけに事件の真相と社会の闇に迫っていきます。泉は、迷いながら、悩みながら、ときに諦めそうになりながらも、必死に前に進んでいきます。がんばる泉を、杉咲花さんがどのように演じてくださるのか、とても楽しみです。泉を、そして作品に登場する人々を応援しています。



