アニメ「ちびまる子ちゃん」で主人公・まる子の声を務めている声優TARAKOさん(本名非公表)が亡くなったことが9日、分かった。63歳だった。群馬県太田市出身。同アニメが放送を開始した、90年1月から34年間、主人公さくらももこ(まる子)の声優を担当していた。

9日、フジテレビは追悼文を発表。「『ちびまる子ちゃん』で『まる子』役を演じ続けられてきたTARAKOさんが、3月4日(月)未明にご逝去されました。1990年1月7日に放送を開始した『ちびまる子ちゃん』の初回から、34年間にわたって『まる子』役を演じていただきました。これまでの多大なるご功績に感謝するとともに、謹んで哀悼の意を表します」と哀悼の意を表した。

最後の出演回は3月24日の「まる子、水の味がわかる?」の巻で、1時間放送を予定している。なお、後任の声優、後任による放送開始時期については現在対応を検討中という。

共演声優らも訃報を受け、追悼コメントを寄せた。お父さん役の屋良有作は「タラちゃん、突然のお別れに言葉が見つからず、ただぼうぜんとするばかりです。つい最近まで、毎週収録の度、スタジオでお会いしていたのに。長い間、どんな状況の時にも番組の座長として、気丈で優しく、そしてしなやかに、私達をけん引して下さいましたね。もう、あなたの明るくおちゃめなあの笑顔に出会うことはできなくなりましたが、いつまでも私達の心の内に、いくつもの思い出と共に残り続けます」、お母さん役の一龍斎貞友は「唯一無二の存在が旅立ってしまいました。いつも誰にも気を配る心遣いの達人だったタラちゃん。この喪失感を埋めるすべを見つけられません」と“娘”との別れを惜しんだ。

いつも仲良しのおじいちゃん、友蔵役の島田敏は「胸つまる『何だい?まる子』言えなくて 友蔵タラちゃんに捧ぐ心の俳句」と劇中のように俳句で思いを表現。おばあちゃん役の佐々木優子は「明るくて、楽しくて、人にも動物にも、命あるすべてに愛をふりそそぐ人でした。でも、こんなに急に、突然、ばあさんより先に逝ってしまうなんて…そこだけは親不孝者だよ、まる子や…」、お姉ちゃん役の豊嶋真千子は「アフレコの時、あったかい笑顔で『楽しいね~』と言っていたあの優しい声に励まされてやってきました。話したいことや、一緒にやりたいことが沢山ありました。『お姉ちゃん』として『まる子』と過ごした時間はまだ思い出にはできそうにありません。『さよなら』の代わりにTARAKOさんの好きだった言葉を。『ありがとう、またね~!』」と追悼した。

また、親友・たまちゃん役の渡辺菜生子は「共有した大切な時間は、私の中で、今でもきらきら輝いています。心より感謝しています。ご冥福をお祈りいたします」とコメントを寄せた。

TARAKOさんは、1981年、アニメ「うる星やつら」で幼稚園児役として声優デビュー。82年の「戦闘メカ ザブングル」のチル役で初レギュラーを獲得。86年の「めぞん一刻」では麻美、ホステスのアケミの声優を担当した。

90年1月7日にまる子役として「ちびまる子ちゃん」がスタート。同アニメは、最高視聴率39・9%、平均でも25%を獲得し“まるちゃんブーム”を巻き起こし代表作となった。オーディションで原作者のさくらももこさん(18年死去)の声と似ていたため抜てきされたという逸話もある。

同アニメは、92年9月27日で終了、2年4カ月後の95年1月8日に復活し、現在まで続く長寿番組となっている。