芸能生活30周年を迎えたお笑いコンビ、テンダラーが昨年12月25日に30周年記念公演を完走した。6月に笑いの殿堂なんばグランド花月(NGK)からスタートし、広島、米・ロサンゼルス、名古屋、東京と巡り、再びNGKで締めくくった。
テンダラーは横山アラン・ドロンのドロンが経営するショーパブ「アランドロン」で働いていた白川悟実(54)と浜本広晃(50)が94年6月に結成。15年には上方漫才大賞の大賞を受賞するなど、大阪を拠点に活躍してきた。
公演は定番の下ネタのツカミからスタート。がっつり笑いを取ると、そのまま60分ノンストップ漫才に突入した。白川の独身ネタ、大谷翔平ネタなど定番から時事ネタまで幅広い話題を盛り込んだほか、序盤に振ったネタを終盤に回収するなど巧みな話芸で観客を笑わせ続けた60分だった。
6月のNGK公演では、海原やすよ ともこをゲストに招き、80分ノンストップ漫才を披露していただけに、「いつも90分くらい漫才をやっているので楽でした」と口をそろえた。
2部は新喜劇。浜本いわく「最後は新喜劇をやりたかったんですよ。普段、僕らはNGK、寄席に出させてもらってますけど、その後に絶対に新喜劇がある。その輪の中に入れてほしかった」。
実はテンダラーのイベントでアンケートを取ったところ、約半数の客は初参加だという。
そのため、「新喜劇だけだと『漫才やらへんのや?』ってなる。やっぱ見せたいじゃないですか。だから、漫才もやって、あれもやろうこれもやろうで」
浜本が脚本を書き、座長のすっちー、吉田裕が豪華出演。川畑泰史、島田珠代らも絡んだ。
白川と浜本が人気ギャグ「ドリルすんのかいせんのかい」「パンティーテックス」に挑戦するというストレートなおもしろさだけでなく、浜本とすっちーの身長差を生かして、すっちーに池乃めだかの定番ギャグ「見下げてごらん」を“やらせる”展開も。さらに、浜本がABCテレビ「なるみ・岡村の過ぎるTV」でティーアップ長谷川宏に発するセリフ「ヒステリックグラマー!」を盛り込むなど小ネタも満載だった。
浜本は「やりたいこと全部ぶち込んだんです。わがまま言うていろんなことをやらせてもらって楽しかった」。浜本のセンスがあふれまくっていた。
テンダラーを初見の人も見慣れている人も大笑いだったが、なにより、2人が誰よりも笑いを楽しんでいるのが感じられる公演だった。
浜本は言う。
「こういう世界でいると、変わっていくことは大事ですけど、変わらずやり続けることも大事。何なら、そこが一番難しいかも。若い頃はショーパブでどうやってお客さんに喜んでもらえるかを考えてましたけど、この世界に入って、自分のおもろいところを追求してきた。でも、最近1周回って、お客さんにどうやったらもっと笑ってもらえるかなって」
公演の数日前にはM-1グランプリ2024が行われ、令和ロマンの連覇で幕を閉じた。
次々と台頭する才能ある若手に、浜本は「自分らがあの芸歴の時にあれくらいできたかって考えたらできてない」。白川も「うまい。もっと下手やった。1年目からでも漫才になっているのがすごい」と舌を巻く。
それでも、浜本は「(夢路)いとし(喜味)こいしさんのDVDなんて見たら、今ある漫才全部やってますからね。リズムネタなんかも。結局、その人が言うたらおもしろいってなれたら最高。(西川)のりお師匠なんて、何言うてもおもしろい。漫才は年がいけばいくほど説得力が出てきますから」と自分たちが思い描く漫才師の姿を明かす。
白川も「漫才師はなろうと思ってもなれないし、仕事として立てるのは誇り。大阪の人は漫才師をリスペクトもしてくれる。本当に誇りです」。
テンダラーが40周年公演でどんな笑いを届けてくれるのか。気は早いが待ち遠しい。【阪口孝志】



