2年ぶりの再演となる「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男」(4月7日~PARCO劇場)の稽古を前に、主演のNEWS加藤シゲアキ(37)に話を聞いた。

スランプ中の劇作家を演じるこの作品は、自身小説家としても活動する加藤にとってはまり役に見える。

「前回の公演中から再演の話があって、素直にうれしかったです。一方で、忙しない舞台ですからね。2年年齢を重ねて、また運動会のように走り回ることができるかな、と」

照れくさそうに話しながら、喜びを隠さない。一方で劇中で演じる「書けない苦悩」は、自身の作家生活では「まだ経験したことがないですね」と笑った。

昨年の直木賞候補「なれのはて」は本格的なミステリー作品だったが、発売したばかりの「ミキアス・シンフォニー」は一人称でつづった連作短編小説と趣を変え、筆運びは順調だ。

そんな加藤が「エドモン-」の再演を感慨深く迎えたもう一つの理由が2年前の初演のタイミングだ。

「コロナ禍を脱けたばかりの頃だったんです。対策を徹底しながら、稽古中も慎重でしたね。その分、仲間意識の強いカンパニーでした。誰ひとり欠けることなく幕が開いて、客席から笑い声が上がった時はホントにうれしかったですね」

コロナ禍が舞台関係者にもたらした試練が改めて思い出される。

同じスタートエンターテインメント所属で、今年1月に取材した高田翔(31)は、昨年末から連続6本の舞台に立ち「人生最高の過密状態」を迎えているが、そのバイタリティーの原点に20年の「Endless SHOCK」を挙げた。

「(演出・構成・主演を務める堂本)光一クンに声を掛けていただき、ありがたかったのですが、本格的に踊るのは7年ぶり。周りに教わりながら、ようやく開幕を迎えた感じでした。そこにコロナ禍でした」

当時のつらい胸の内を明かした。中断の後、その年の秋に光一が大阪・梅田芸術劇場に同じキャストの集合をかけた。

「まったく同じキャストで『Endless SHOCK Eternal』をやろうということなんです。稽古を始める前に光一クンは『皆さんやりますか? 選択はまかせます』と。結果は1人も欠けることなくやり切ったんです。キャストそれぞれに強い思いがあって、それはそれはすごい熱量でした」と振り返った。

コロナ禍から演劇が動きだす貴重な一歩となる作品となった。

高田は「あの経験で腰が据わった感じがします」という。

コロナ禍は演劇界に未曽有の試練をもたらすとともに、舞台に向き合うそれぞれの思いを新たにする機会にもなったようだ。