SNSを使って歌手でタレントの堀ちえみのブログに対して誹謗(ひぼう)中傷を繰り返し、偽計業務妨害の罪に問われていた中島早苗被告(48)の裁判で、東京地方裁判所は29日、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
堀は19年にステージ4の「舌がん」と診断されて以来、闘病しながらと芸能活動を続けている。中島被告は堀のブログに対して23年4月からおよそ2年間にわたって「うそ八百」「顔がゆがんでいる」「舌を引っこ抜かれたいのか」などと1万6004件もの誹謗(ひぼう)中傷のメッセージをスマートフォンで送信し続けてきた。
公判ではSNSへの誹謗中傷は自宅周辺の商業施設でWi-Fi回線を使って送信を繰り返していたとして、その一方で職業にはつかず生活保護を受けていたことも明かしていた。さらに中島被告は誹謗中傷などの客観的事実についてはおおむね認めたものの、容疑となった偽計業務妨害に関しては「妨害する意図はなく」「認識もなかった」と否認していた。
横倉雄一郎裁判官は「アカウントを頻繁に変更しながら、1年3月に渡り約1万6000回ものメッセージや誹謗中傷を送信していた」とし、送信の件数の多さなども考慮すると「円滑なブログの管理業務の遂行はできず、支障を生じさせるという恐れがあるという認識はあった」とした。その上で「業務妨害の程度は相応に大きく、結果を軽く見ることはできない」と被告の言い分を退けた。
その一方で、今後は「ブログは閲覧せず、メッセージも送信しない」としていることや前科がないことなども考慮。さらに責任能力についても「精神疾患の影響をきたしている可能性は否定できない」とし、懲役1年、執行猶予3年を言い渡した。
裁判には堀も顔を見せたが、今回の判決については納得した表情ではなかった。ただ、堀の夫である尼子勝紀氏は「今回の裁判は堀ではなく会社としてのもの」だとした上で「1年3カ月もの間、誹謗中傷のメッセージを繰り返してきたことは事実ですし、彼女も精神的に辛い毎日を送ってた。実は保釈後も続いていたので実際には2万件件を超えていました」と明かした。その一方で「この裁判が始まって以来、他からの誹謗中傷が減った」と、裁判が抑止力にもなったとも話した。今後については、被告人は現在も生活保護を受けているが「弁護士と相談して民事での訴訟も考えていきたい」と話した。



