俳優の仲代達矢(なかだい・たつや)さんが死去したことが11日までに分かった。92歳だった。10年の映画「春との旅」(小林政広監督)で仲代さんと祖父孫役でダブル主演した徳永えり(37)が11日、インスタグラムを更新。「仲代達矢さんの孫娘を演じられて幸せでした。おじいちゃん、ありがとう。心よりご冥福をお祈りします」と追悼のコメントを発表した。

徳永は「春との旅」で、仲代さん演じる漁師の祖父中井忠男が体が不自由になり、身の置き場をともに探す旅に出る孫娘の春を演じた。仲代さんとのツーショットを投稿し「仲代達矢さんを思い浮かべると、大きい背中が見える。ズンズン歩いて行く姿を私は必死で追いかけて、ようやく追いついたと行く手を阻んでも、ものすごい力で跳ね返されて、また歩き出してしまう。私は仲代さんと睨み合っていた。これはもちろん、映画『春との旅』の撮影中のお話」と撮影を振り返った。

その上で「実際の仲代さんはとても優しくてあたたかい方でした。撮影中他者と話すことを禁止されていた私は、ひとりで黙々と撮影をこなす日々で。広いロケバスで1人、撮影時間を待っていた私のところに突然仲代さんが来て、マイクの電源を切るように指示され急いでオフにすると、優しくほほえみながら、『えり、大丈夫か』と」と撮影中に仲代さんからかけられた、温かい言葉を紹介。「この言葉に私はどれだけ救われただろうと、思い出しては涙が止まりません。さみしいです」と悲痛な思いをつづった。