俳優舘ひろしが、都内で始まった「石原裕次郎生誕90年祭」オープニングセレモニーに出席した。

昭和の大スター、石原裕次郎さんの映画、ドラマに関連した企画展で、舘が裕次郎さんとの思い出をたっぷり語った。これまでに聞いたエピソードもあったが、舘の口からあらためて語られると1つ1つの映像が頭に浮かんでくるようだった。

舘は、裕次郎さんの晩年にとてもかわいがられたという。「私は渡(哲也)に傾倒していましたので、石原さんとはちょっと距離があるような感じだった。それを渡は心配していた」と振り返った。

恒例の年末年始ハワイ旅行で、渡さんから裕次郎さんの運転手をするよう言われたという舘。運転をしつつ食事やゴルフに一緒に行くなどしたという。

舘は「もうすぐ東京に帰るという日、別荘にあるバーで2人っきりで話したことがあったんです。きっと社長は僕のことかわいくないですよね、と聞いたら、『そんなことねえよ』とおっしゃった。私は、グラスとボトルを3つまっすぐに(直列に)並べて、僕は渡さんの背中をまっすぐ見てると、その向こうにある石原さんの背中が見えません。斜めに立っていれば両方見えるんですけど、と言ったら、すごく分かってくれました」と話した。

バーのカウンターで、裕次郎さんと渡さん、自分をボトルとグラスに見立てて話す舘と、それを聞いている裕次郎さんの姿を思った。舘は「石原さんは、私にとっては親分である渡さんがついていってる方。後半は直接いっぱいかわいがっていただきました」と笑みを見せた。

舘は「もう90年たったの? そうですか…。ご存命でいたら90歳。亡くなったのが早かったですもんね。あの貫禄はなかった」と感慨深げに語った。

感謝は忘れない。「私がなんとか俳優としてやっていかれているとしたら、やっぱり石原さんが見守ってくれているおかげだと思っております」と話した。また、石原プロモーションを率いた裕次郎さんのように、舘も舘プロを引っ張っている。舘は「石原プロの良き伝統は継承しつつ、やっていければなと思っています」とした。【小林千穂】