テレビ朝日系「報道ステーション」は13日の生放送で、前身の報道番組「ニュースステーション」などで活躍した久米宏(くめ・ひろし)さんの訃報を長尺で伝え、活躍をしのんだ。

川崎球場で行われた、ロッテ対近鉄、通称「10・19」。番組では、伝説となった一戦の一部をリバイバル放送。久米さんが出演していた「ニュースステーション」内で試合の生中継を放送していた。

「10・19」当日、番組の冒頭から試合の生中継からスタート。久米さんは「今夜はお伝えするニュースが山ほどあるんですが、実はパ・リーグの優勝がかかっている試合が今、ヤマ場。9回表ツーアウトまで進んでまして。ここで野球の中継をやめるわけにもいきません」と一気に語った。

その後、画面は試合に移り変わった。9回表2死二塁、近鉄の新井宏昌が強烈な三ゴロを放つ。ロッテの三塁手水上善雄が冷静に一塁へ矢のような送球を投げ込みアウトにした。試合の実況を務めていたABC安部憲幸アナウンサー(17年4月に71歳で死去)は「止める! 水上! This is プロ野球~!」と絶叫。続けて「まさに打ちも打ったり新井、よく止めた水上。白熱のゲームが好プレーを演出。9回表が終わりました川崎球場、4-4同点」と冷静に語った。この安部アナの「This is プロ野球~!」は今では語り草となっている。

そして画面は久米さんのいるスタジオに切り替わり「This is ニュースステーションでございます」と続けた。どんな場面でも機転を利かせたユーモアを発揮していた。

X(旧ツイッター)では「This is プロ野球」「This is ニュースステーション」についてのポストが相次いだ。「この切り返しとか久米宏さんさすがやな。10・19語る中でも久米さんの名前も出るよな。お疲れ様でした」「This isプロ野球~!! This isニュースステーションでございます。自分の中で久米宏と言えばこれなんですよね」「10.19キター!ニュース番組の開始と同時に野球中継する非日常感は、今でも忘れられない」などと書き込まれていた。

久米さんは、1985年10月から2004年3月まで、同局系「ニュースステーション」のメインキャスターを務めた。分かりやすさと、歯に衣(きぬ)着せぬコメントで、それまでアナウンサーが与えられた原稿を読むスタイルが主流だったニュース番組に革命を起こした。18年半で放送回数4795回、平均視聴率14・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

04年3月26日、最後の放送では、手酌のビールを一気に飲み干し、18年半の歴史に自ら幕を引いた。

久米さんは1日、肺がんのため、81歳で亡くなった。所属事務所が13日、発表した。

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