俳優津田寛治(60)が25日放送のMBSテレビ「痛快!明石家電視台」(土曜午後3時=関西ローカル)に出演。北野武監督の映画「ソナチネ」(1993年)で映画デビューした経緯について明かした。

もともと映画監督に憧れていた津田は、ひとまず俳優を目指すべく上京。アルバイト生活を続けながら、感銘を受けた監督の事務所に行って売り込みをしていた。

そんな折、北野監督の「その男、凶暴につき」を見て「北野監督に(書類を)渡せたら本望だなと思っていたら、なんと自分がバイトしていた喫茶店によくいらっしゃっていた」と、バイト先の喫茶店が北野監督の行きつけだったことを知った。

喫茶店のママが「武さんが来たらプロフィル渡しなさいよ」と勧めてくれたこともあり、機会をうかがったものの、普段はスタッフに囲まれて近づけなかった。

そこで「トイレだけは1人で行かれるんですよね。トイレで渡すしかないなと思って。プロフィルと手紙持ってトイレ行って、『僕は北野監督の“その男、凶暴につき”ってあの映画が大好きで。(映画に)出れなくてもいいんで、見学だけでもいいんでさせてください』って渡したんですよね。そしたら監督が『分かりました』って(受け取った)」と回顧。

「それだけでうれしくて。出してもらわなくても、しゃべれたことで糧にしてやっていけると思って」と感激していたという。

そこから北野監督からの音沙汰はなかったが、1年後に次回作の打ち合わせで店へとやってきた。「(北野監督が)『あんちゃん、まだ俳優目指してんのかい?』って。『うわ、覚えててくれた』と思って…。『頑張ってます!』って。これだけで、またいけると思ったら…」と喜んでいたところ、喫茶店のママが津田を押しのけて「監督、ひどいじゃないですか。この子1年間待ってたんですよ! 手紙とプロフィル受け取ったんですよね? だったらなんでオーディションぐらい呼んであげないんですか? 私、監督好きだったけど見損ないました」などと猛抗議。

北野監督も「そうだっけ? ごめんね」と気おされるように店の隅へ行き、打ち合わせに入ってしまった。

津田がすっかり落ち込んでいると、「監督が『おい、あんちゃん、出番だよ。ちょっとおいで』って」と呼ばれた。

北野監督はスタッフに、北野監督が演じる主人公が喫茶店のウェーターに「ウェーターだったらウェーターらしい格好して働け」と怒り、ウェーターが謝るというシーンを追加することを告げ、「みんなの前で説明してくれた。『あんちゃん、今回“すみません”の一言でごめんな』って。(この時点で)映画の1シーンに出演してるみたいな気分になっちゃって…」と振り返る。この「ソナチネ」への出演がブレークにつながったという。

ちなみに、津田の後にアルバイトに入ったのが俳優宇野祥平で、津田同様にママが売り込みをしたことで「今、立派な俳優になってるんですよ。北野映画とか出てるんですよね」と明かす。

この話に、明石家さんま(71)は「そのママと武さん、関係あったんかな? 武さんにそんなキツいこと言える人って、まあいないからな。(北野監督の母の)北野さきさんがそういう人やからね。俺の勘やけど、お母さんとちょっとダブった。強い人好きやもんな、武さん」と話していた。