「容疑者Xの献身」「白夜行」などの人気ミステリー小説で知られる作家の東野圭吾さんが、大腸がんのため亡くなったことが27日、明らかになった。68歳だった。講談社が公式サイトなどで発表した。

発表では「葬儀は家族葬にて執り行われました。ここに、謹んで哀悼の意を表し、お知らせ申し上げます。なお、ご家族への取材等はお控えくださいますようお願い申し上げます」と伝えた。お別れの会実施などの詳細は「決まり次第お知らせいたします」としている。

東野さんは1958年、大阪市生野区出身。大阪府立大学(現・大阪公立大学)工学部電気工学科を卒業後、デンソーに技術者として入社。サラリーマンと併行しながら執筆活動を始め1985年に学園ミステリー作品「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、プロの作家としてデビューした。

作品の特徴として読みやすさ、緻密(ちみつ)な伏線回収、深い人間ドラマが大きな特徴。読者を飽きさせないエンターテインメント性と、考えさせられるテーマを両立させており、日本のミステリー界を牽引(けんいん)してきた。

「ガリレオシリーズ」「加賀恭一郎シリーズ」「マスカレードシリーズ」など多くの人気シリーズのほか、「白夜行」や「さまよう刃」「秘密」など人気の単発作品も発表しており、映像化も多数されている。8月5日に、ガリレオシリーズの最新作「永遠の記憶」が発売予定となっている。

最近の映像化作品では25年9月に福山雅治の主演映画「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」、26年1月には、東野さん作品初のアニメーション映画として「クスノキの番人」が公開された。また、27年2月には、山﨑賢人と松下洸平のW主演による映画「殺人の門」が公開予定となっている。

東野さんは、「日本で最も売れている作家」と評されている。2023年4月には国内累計発行部数が1億部を突破したことが発表されている。また、中国、韓国、台湾をはじめ、欧米など世界各国で翻訳されており、海外での推定累計発行部数は約6800万部を超えており、全世界の累計発行部数は1億6800万部以上に達している。

◆東野圭吾(ひがしの・けいご)本名同じ。1958年(昭33)2月4日、大阪市生まれ。81年、大阪府大工学部を卒業後、日本電装(現デンソー)に入社、エンジニアとして勤務した。在職中に小説を書き始め、86年退社。85年「放課後」で江戸川乱歩賞受賞。直木賞候補に挙がった作品は「秘密」「白夜行」「片想い」「手紙」「幻夜」。第134回直木三十五賞作「容疑者Xの献身」は天才的数学教師が愛する女性のために仕組んだ完全犯罪の正統派ミステリー。他にも「加賀恭一郎」「ガリレオ」シリーズで知られる。