元宝塚歌劇団星組トップ礼真琴が、このほど日刊スポーツの取材に応じ、30日に開幕する主演ミュージカル「BOOP!The Musical」福岡公演(博多座、8月16日まで)に向け意気込みを語った。
宝塚退団後初出演となるミュージカルが東京、大阪を経て、いよいよ最後の地、福岡に降り立つ。
宝塚時代は“令和のトップ・オブ・トップ”として活躍した。新たな一歩で演じることになったのは、世界的アイコンの「ベティちゃん」。宝塚の男役とは一変、キュートな衣装と甘い歌声、セクシーで自由な女性だ。
東京公演では「男役時代のファンの方が大勢いらっしゃる中で、この姿をお見せするにはと、自分に課したプレッシャーがたくさんありました」と不安も抱えながら新たな一歩を踏み出したが、結果は杞憂(きゆう)に終わった。「すごく評価していただいたり、楽しんでいただけたという声を聞いて自信につながった」。大盛況の内に幕を閉じた。
続く大阪公演の会場は宝塚時代から慣れ親しんだ梅田芸術劇場。「ホームに帰ってきた気持ちで落ち着いていられた」という場所で、「東京で課題があった歌も、大阪ではすごく気持ちよく歌えている自覚もあった」。
公演を重ね、キャストとのチーム力も向上した。宝塚時代は、同じメンバーと家族のように過ごしながら作品を作り上げていく中で「みんながものすごく支えてくれて背中を押してくれましたけど、自分がトップスターだっていう責任をちゃんと持って舞台に立ってたというか、変な話、すべての責任は私だくらいのつもりで過ごしていた」。それがこの作品限りのメンバーに変わり「はじめましての方だったり、そういう関係性がすごく新鮮で。皆さんそれぞれ人生をかけてここにいらっしゃる方々ばかりなので、私が何かをしようとしなくても、皆さんそれぞれ存在されて光り輝いている。自分自身のことをちゃんと集中してやれば、皆さんが勝手に盛り上げてくださる。助けてもらうことばかりですね。これだけ長い期間、一緒にいるっていうのはすごくありがたいこと。皆さんが本当に温かくて、恵まれた環境にいられて幸せだなって思います」と喜ぶ。「カンパニー全体にどんどんアップデート、ブラッシュアップしていけている感覚があります」と完成形で福岡公演を迎える。
会場の博多座は「13年ぶりなんですよ」。意外にも自身がトップの時には行っていない。
「ちえさん(柚希礼音)がトップの時にしか行ってなくて、あ、私はちえさんと一緒じゃないと(福岡に)行けないんだって。でも、そういうご縁もうれしい」。
宝塚に入るきっかけを与えてくれた、敬愛する柚希礼音とともに再び博多座の舞台に立てることを楽しみにしている。
柚希にはありとあらゆることをアドバイスしてもらっており、「また同じ舞台で一緒に作品をやっているということが本当に奇跡のよう。ちえさんの番には花道からオタクのように見つめてます。本当に幸せです。休憩時間とか終演後もちょこちょこご一緒させていただいて、この期間一緒にいられるのは本当にうれしい」と共演の喜びをかみしめた。
初めて博多座公演に行ったときのことを「長期間ホテルで過ごすことが寂しくて、キャナルシティでピカチュウのぬいぐるみを買って一緒に寝たり。今でも持ってますよ」と懐かしむ。
宝塚には九州出身者も少なくない。「博多座や全国ツアーでたまたま観た子が目指すパターンも多いので、本当に観ていただけたらうれしい」と演劇の道を志すきっかけになればと願う。「ベティちゃんって存在はみんな知ってると思うんですけど、ベティちゃんにストーリーがあるっていうことを知ってる人はほとんどいないと思う。私も知らなかった。だから、セクシーでかわいい、大人っぽい女性ですけど、こんなにかわいくてカラフルな世界があるというブロードウェーミュージカル。音楽も踊りもアンサンブルの人たちのパフォーマンスも素晴らしい。そういうものを観てほしいなって思います」と演劇のすばらしさを伝えるつもりだ。
「博多座のお客さまもすごく温かくて熱かった印象があるので、久しぶりに行けるのがすごく楽しみ。1番暑い時期になるので、こちらも負けないように熱くハッピーにお届けできたら」。
礼が福岡に熱い夏を届ける。【阪口孝志】



