8代目尾上菊五郎(49)が10日、都内で、「錦秋十月大歌舞伎」(10月2~20日、東京・歌舞伎座)の取材会を行った。

第1部では「義経千本桜」の「川連法眼館」で佐藤忠信実は源九郎狐をつとめ、第2部では「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」で主人公の佐々木盛綱をつとめる。

昨年5月に8代目菊五郎を襲名し、今年7月に1年2カ月に及んだ襲名披露興行を終えた。「菊五郎になり、古典により一層真摯(しんし)に向き合いたいと思っていたところに、大役のふた役のお話をたまわり、本当にありがたい思いでいっぱいです。緊張感や恐れもありますが、緊張感を力に換えて精いっぱいつとめたい」と意気込みを語った。

8代目菊五郎の呼び名には慣れたかと聞かれると「8代目には少し慣れたんですけど、菊五郎というのはまだ慣れなくて…。父のことのように思ってしまう。緊張感が走るんですね」と、父で7代目菊五郎に触れ苦笑いした。

「四の切(しのきり)」と呼ばれる「川連法眼館」は、家によってさまざまなな型があるが、演じる音羽屋型について「親子の情愛が魅力。親を慕う気持ちを大事にしたい」とした。

「盛綱陣屋」は義父で21年に亡くなった中村吉右衛門さんの台本をもとにつとめ、また、片岡仁左衛門とのダブルキャストであることもあり「岳父が高い山のようにそびえ立っておりますし、仁左衛門のおじさまも高い山のよう。どこを見ても高い山だらけなので、おじけづいてしまうような気持ちもあるんですが、1歩1歩登っていきたい」と表情を引き締めた。

常々、古典、新作、復活狂言への思いを語っている。10月に出演する演目以外の古典名作も挙げ「(古典は)今生きている私たちに、まるで台本が『あなたならどう生きますか』と語りかけているようです。古典をいただくだけではなくて、どう生きるかという普遍的なテーマをもって古典、復活狂言、新作にたずさわっていきたい」と話した。